最終更新日: 2026年4月24日
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慢性好酸球性白血病(CEL)および特発性好酸球増加症候群(HES)は、末梢血と骨髄で好酸球が持続的に異常増殖し、その好酸球が心臓や肺、神経などの臓器に浸潤して重篤な組織障害を引き起こす疾患群である。心内膜の線維化による制限型心筋症が予後を左右する。
全身症状:発熱、体重減少、全身倦怠感。
好酸球性臓器障害による症状:
心・血管系:息切れ、浮腫(心不全症状)、血栓塞栓症。
呼吸器系:咳嗽、喘鳴、肺浸潤影(好酸球性肺炎)。
皮膚:血管浮腫、発疹、そう痒。
その他:消化管障害、末梢・中枢神経障害など。
血液検査:末梢血における持続的な好酸球増多(1,500/μL以上が6ヶ月以上持続、または臓器障害を伴う)。
骨髄検査:骨髄での好酸球系細胞の増生。
遺伝子検査:FIP1L1-PDGFRA融合遺伝子などのPDGFRA、PDGFRB、FGFR1再構成の有無を確認する。
全身検索:心エコー(心内膜の肥厚、心室壁の硬化)やCTで臓器障害の程度を評価する。
PDGFRA再構成陽性のCELの場合:チロシンキナーゼ阻害薬である『イマチニブ』が著効するため第一選択となる。
HESまたはイマチニブ無効例の場合:『副腎皮質ステロイド』が第一選択。ステロイド抵抗性や減量困難な場合には、ヒドロキシカルバミドやメポリズマブ(抗IL-5抗体)を併用する。心不全に対する対症療法も重要。
病態
好酸球は通常、寄生虫感染やアレルギー反応で増加する(二次性)が、本疾患では遺伝子変異等により腫瘍性に自律増殖する。増殖した好酸球から放出される顆粒タンパク(MBPなど)が組織を破壊し、線維化をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
まず、寄生虫感染やアレルギー、膠原病(EGPAなど)による『二次性の好酸球増多』を必ず除外する。遺伝子検査でFIP1L1-PDGFRA融合遺伝子などのクローン性が証明されれば『CEL』と診断され、原因不明のまま臓器障害を伴うものを『HES』と呼ぶ。
増殖した好酸球が心臓に浸潤し、心内膜が線維化して硬くなる『好酸球性心内膜炎・制限型心筋症(Loeffler心内膜炎)』をきたし、致死的な心不全に陥ることが超重要キーワード。
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クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
AIHAは、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)が産生され、赤血球が破壊(溶血)されることで進行性の貧血や黄疸をきたす疾患である。「温式(IgG)」と「冷式(IgM)」に大別され、直接クームス試験陽性が確定診断の要となる。
ALPSは、リンパ球のアポトーシス(細胞死)障害により、慢性的な非悪性リンパ増殖(リンパ節腫脹、肝脾腫)と自己免疫疾患(主に血球減少症)をきたす稀な遺伝性免疫疾患である。ダブルネガティブT細胞(DNT)の増加が特徴的。
急性前骨髄球性白血病(APL)は、骨髄芽球から前骨髄球への分化段階で成熟が停止する急性骨髄性白血病(FAB分類M3)である。重篤なDIC(播種性血管内凝固症候群)を合併しやすく致死的になり得るが、ATRA(分化誘導療法)が劇的に著効する特異な白血病である。