コルネリア・デ・ランゲ症候群は、コヒーシン複合体に関連する遺伝子(NIPBLなど)の変異によって生じる多発奇形症候群。濃く繋がった眉毛や長い睫毛などの「極めて特徴的な顔貌」と、上肢の形成異常、重度の成長障害・知的障害を呈する。
最終更新日: 2026年5月1日
コルネリア・デ・ランゲ症候群は、コヒーシン複合体に関連する遺伝子(NIPBLなど)の変異によって生じる多発奇形症候群。濃く繋がった眉毛や長い睫毛などの「極めて特徴的な顔貌」と、上肢の形成異常、重度の成長障害・知的障害を呈する。
特異的顔貌:癒合眉(濃く連続した眉)、長睫毛、短い鼻・前向きの鼻孔、薄い上唇と下向きの口角、小頭症。
四肢の異常:上肢(腕・手)の欠損、短小、多毛。
重度の精神運動発達遅滞、自閉症様行動、自傷行為。
消化器:重度の胃食道逆流症(GERD)、横隔膜ヘルニア。
心疾患、難聴。
典型的な臨床症状(特異的顔貌、四肢奇形、成長遅滞)からの臨床診断。
遺伝子検査:NIPBL(最多)、SMC1A、SMC3などのコヒーシン関連遺伝子の変異。
根本治療はない。
胃食道逆流症(GERD)に対する治療:制酸薬投与や、重症例では噴門形成術(誤嚥性肺炎や栄養不良を防ぐため極めて重要)。
理学療法、作業療法による発達支援。
合併症(心疾患、難聴)の管理。
病態
細胞分裂時の染色体の分配や遺伝子発現調節に関わる「コヒーシン」の機能異常により、胎児期から重度の発育不全が生じる。
試験・臨床での重要ポイント
『一目でわかる特異的顔貌』が画像問題で問われる。
『癒合眉(左右の濃い眉毛が真ん中で繋がっている)』、『非常に長い睫毛(まつげ)』、『上向きの短い鼻』、『薄く下向きの口唇』が特徴。
四肢の異常として、『上肢の欠損』や橈尺骨癒合症、少指症などの奇形を伴いやすい。
胎児期からの著明な発育遅延(FGR)があり、出生後も非常に小柄である。
覚え方・コツ
「コルネリア・デ・ランゲは『眉毛が繋がった、まつげの長い小柄な赤ちゃん』!顔の特徴(癒合眉・長睫毛)が強烈だから写真を見れば一発でわかる。手や腕の骨が足りない(上肢欠損)奇形を伴うことが多い。知的な遅れが強くて、消化管の逆流(GERD)でミルクを吐きやすいのもケアのポイントだ!」
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。