最終更新日: 2026年4月20日
ジベルばら色粄糠疹は、若い成人に好発する原因不明の急性の炎症性角化症。ヘラルド・パッチ(初発疹)の出現後、体幹にクリスマスツリー状の皮疹が広がり、約1〜2ヶ月で自然治癒する。
ヘラルド・パッチ(直径2〜5cmの楕円形の紅斑で、辺縁に鱗屑を伴う)
体幹を中心とした多発性の紅斑・鱗屑(クリスマスツリー状配列)
かゆみはないか、あっても軽度〜中等度
軽度の感冒様症状が先行することがある
初期評価
特徴的な初発疹と、その後のツリー状の皮疹分布から臨床的に診断する。
検査
必須の検査は『梅毒血清反応(RPR/TPHA)』および真菌鏡検(KOH法)であり、類似する第2期梅毒や体部白癬(ぜにたむし)を確実に除外する。
治療方針
約1〜2ヶ月で『自然治癒(瘢痕や色素沈着を残さない)』するため、原則として経過観察(無治療)でよい。患者に「うつらないこと」「自然に消えること」を説明し安心させる。かゆみが強い場合のみ、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服を対症療法として使用する。
病態
明確な原因は不明だが、HHV-6やHHV-7などのヒトヘルペスウイルスの再活性化による免疫反応が疑われている。春や秋に好発する。
試験・臨床での重要ポイント
最初に体幹に1個だけ、数cm大の楕円形で辺縁にカサカサ(粄糠状鱗屑)を伴う赤い斑点『ヘラルド・パッチ(Herald patch:初発疹、親斑)』ができるのが最大の特徴。その1〜2週間後に、一回り小さい同様の紅斑が、背中の肋骨の走行に沿って斜め下向きに『クリスマスツリー状(子斑)』に多発する。必ず梅毒(第2期梅毒疹)や体部白癬との鑑別を行う。
覚え方・コツ
「ジベルは『大きな親玉(ヘラルド・パッチ)』が出た後、背中に『クリスマスツリー』みたいに赤いブツブツが散らばる病気。見た目は派手で梅毒と似てるけど、放っておけば2ヶ月で綺麗に消える(自然治癒)から安心!」
晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。