緊張性気胸は、肺や胸壁の損傷部がチェックバルブ(一方向弁)として働き、吸気時に胸腔内に空気が流入するが呼気時に排出されず、胸腔内圧が異常上昇する致死的病態である。心臓や大血管の圧迫による閉塞性ショックを引き起こすため、CBTや国試では、画像検査を待たずに直ちに胸腔穿刺(脱気)を行うことが超頻出の重要疾患である。
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突然の著明な呼吸困難、胸痛
ショック症状(血圧低下、頻脈、冷汗、意識障害)
頸静脈怒張(静脈還流の阻害による)
チアノーゼ
気管の健側(対側)偏位
患側の呼吸音減弱〜消失、打診で鼓音
初期評価
ショックバイタル(血圧低下、頻脈)と頸静脈怒張、呼吸音の左右差、気管の偏位から『臨床的』に診断する。画像検査を優先してはならない。
検査
緊急脱気(穿刺)による救命が最優先である。処置後に胸部X線撮影を行い、患側の異常な透過性亢進(肺紋理の消失)、肺の完全虚脱、縦隔の健側偏位、横隔膜の低位・平坦化を確認する。
鑑別
最大の鑑別疾患は「心タンポナーデ」である。心タンポナーデも頸静脈怒張とショック(Beckの三徴)を伴うが、呼吸音の左右差はなく、心音の微弱・遠音が特徴である。また、巨大なブラや急性肺塞栓症とも鑑別する。
初期対応(緊急救命処置)
診断と同時に、直ちに『胸腔穿刺』を行い脱気する。一般的に患側の「鎖骨中線第2肋間」に太めの注射針(留置針)を刺入し、胸腔内圧を下げる。
根本治療
穿刺による減圧でバイタルサインを安定させた後、速やかに『胸腔ドレナージ(トロッカーカテーテル挿入)』を行い、持続的に脱気・再膨張を図る(挿入部位は第4〜5肋間中腋窩線付近など)。空気漏れが持続する場合や再発を繰り返す場合は、胸腔鏡下でのブラ切除などの外科的治療を行う。
病態
胸腔内に空気が蓄積し続け、胸腔内が高度の陽圧となる。これにより縦隔が健側に偏位し、静脈還流が著しく阻害されて心拍出量が激減し、閉塞性ショックに至る。
原因
自然気胸の悪化、外傷(肋骨骨折などによる肺損傷)、医原性(人工呼吸器の陽圧換気、中心静脈穿刺時の合併症など)。
試験での重要ポイント
「突然の呼吸困難」「血圧低下(ショック)」「頸静脈怒張」「気管の健側偏位」がキーワード。最大のポイントは『X線検査を待たずに、臨床所見のみで直ちに胸腔穿刺(脱気)を行う』点であり、国試で「まず行うこと」にX線撮影を選ぶと「禁忌肢」となることがある。穿刺部位は『鎖骨中線第2肋間』が定番。
覚え方・コツ
「緊張性気胸は、空気が入る一方の地獄の風船(チェックバルブ)。心臓が潰されてショック(血圧低下・頸静脈怒張)。レントゲンを撮る暇はない、すぐに第2肋間に針を刺せ(脱気)!」
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