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野兎病は、野兎病菌(Francisella tularensis)を保有する野ウサギやマダニなどとの接触により感染する人獣共通感染症である。CBTや医師国家試験では、「野ウサギの解体」後の所属リンパ節腫脹と潰瘍のエピソードや、βラクタム系が無効でありストレプトマイシンなどが第一選択となる点が頻出の重要疾患である。
潜伏期:3〜7日程度。
突然の発熱(39℃以上)、悪寒、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感。
【潰瘍リンパ節型(最多)】:菌の侵入部位(手指など)に丘疹が生じ、やがて痛みを伴う『潰瘍』となる。その後、所属リンパ節(腋窩や鼡径部など)が赤く『有痛性に腫大』し、化膿・自壊することがある。
その他の病型:眼リンパ節型、口咽頭型、肺炎型、腸チフス型(敗血症様)。
初期評価
野ウサギやげっ歯類との接触歴、マダニの刺咬歴と、特徴的な潰瘍・所属リンパ節腫脹から強く疑う。
検査
確定診断には、ペア血清による野兎病菌に対する『血清抗体価の上昇』や、潰瘍部・リンパ節穿刺液からのPCR法による『DNAの検出』を行う。※感染力が極めて強いため、一般の検査室での菌の培養は原則禁忌(バイオセーフティレベル3の施設が必要)であり、疑った時点で直ちに保健所へ連絡する。
治療方針
細胞内移行性の高い抗菌薬を早期に投与する。
第一選択は『アミノグリコシド系(ストレプトマイシンやゲンタマイシン)』の筋注・静注、または『テトラサイクリン系(ミノサイクリン、ドキシサイクリン)』や『ニューキノロン系(シプロフロキサシンなど)』の内服・静注である。
※βラクタム系(ペニシリン、セフェム、カルバペネム)やマクロライド系は効果がないため使用しない。
病態
野兎病菌の経皮的、経気道的、または経口的な感染によって生じる。非常に感染力が強く(数個〜数十個の菌で感染可能)、実験室内感染のリスクが高いほか、バイオテロの対象病原体(カテゴリーA)にも指定されている。
試験での重要ポイント
「猟師が野ウサギを素手で解体した」あるいは「山林でマダニに刺された」という病歴から数日後に、感染部位の『潰瘍』と、そこから所属するリンパ節(ウサギを触った手なら腋窩リンパ節など)の『有痛性の著明な腫脹』、および『突然の高熱』をきたすエピソードが超定番である。
細胞内寄生菌であるため、一般的な細胞壁合成阻害薬である『ペニシリン系やセフェム系(βラクタム系)は無効』であり、『アミノグリコシド系(ストレプトマイシン)』や『テトラサイクリン系(ミノサイクリン等)』が特効薬となる点が絶対暗記キーワードである。
覚え方・コツ
「野兎病は、ウサギを捌いた猟師の『脇の下のグリグリ(リンパ節腫脹)』と『熱』!傷口は潰瘍になる。ウサギ菌は細胞の中に隠れるから、普通の風邪薬(ペニシリン)は効かない。ストレプトマイシンかテトラサイクリンで狙い撃ち!」
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