メトホルミンと乳酸アシドーシス|腎機能・脱水・低酸素を確認する
乳酸高値とメトホルミンの関係を、排泄低下と全身状態から学びます。DKAとの違いも整理します。
低血糖の話と乳酸アシドーシスの話を分ける
メトホルミンは主に肝での糖新生抑制などを介して血糖を下げる薬です。単剤では低血糖を起こしにくい一方、重篤な乳酸アシドーシスへの注意が必要です。「低血糖が少ない」という特徴を、すべての状況で安全という意味に広げないでください。
乳酸は代謝の過程で生じ、主に肝などで処理されます。全身の低酸素や循環不全は乳酸の産生・処理のバランスを崩します。メトホルミンの蓄積などが関わると、さらに乳酸アシドーシスのリスクが高まります。
腎機能を見る理由
メトホルミンは主に腎から排泄されます。腎機能が低下すると体内への蓄積が問題になります。電子添文では重度腎機能障害、具体的にはeGFR 30 mL/分/1.73 m²未満や透析を含む状態は禁忌です。それ以上のeGFRなら無条件に同じ用量を使えるという意味ではありません。
高齢者、脱水、急性腎障害を起こし得る状況では、直近の数値と変化の両方を確認します。以前の健診結果だけを見て、現在の排泄能力を決めないことが大切です。
日常の体調変化がリスクを変える
嘔吐・下痢、発熱、食事や水分が取れない状況では、脱水から腎機能が悪化する可能性があります。重い感染症、循環不全、低酸素、重い肝障害、過度の飲酒なども確認します。造影検査や手術では、それぞれの電子添文・施設手順に沿った対応が必要です。