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急性前骨髄球性白血病(APL)は、骨髄芽球から前骨髄球への分化段階で成熟が停止する急性骨髄性白血病(FAB分類M3)である。重篤なDIC(播種性血管内凝固症候群)を合併しやすく致死的になり得るが、ATRA(分化誘導療法)が劇的に著効する特異な白血病である。
汎血球減少による症状:貧血症状、易感染性(発熱)。
DICによる重篤な出血傾向:鼻出血、歯肉出血、皮下出血(紫斑)、消化管出血。特に『頭蓋内出血(脳出血)』は発症早期の主要な死因となる。
血液・骨髄検査:異常前骨髄球(アズール顆粒が豊富、Faggot細胞)の増生。POX染色強陽性。
染色体・遺伝子検査:『t(15;17)』、および『PML-RARA融合遺伝子』の証明。
凝固検査:DICの合併所見(FDP・Dダイマーの著増、フィブリノゲン低下、血小板減少、PT・APTT延長)。
白血病に対する治療:疑った時点で直ちに『ATRA(分化誘導療法)』を開始する。これにより異常前骨髄球が成熟した好中球へと分化し、アポトーシスに至る。同時にアントラサイクリン系などの抗がん剤(化学療法)や『亜ヒ酸(ATO)』を併用して根治を目指す。
合併症管理:DICに対しては血小板輸血や新鮮凍結血漿(FFP)の補充、トロンボモデュリンアルファ等の投与を厳重に行う。ATRA症候群(発熱、呼吸困難、体重増加、肺浸潤影)が出現した場合はATRAを休薬し、速やかに副腎皮質ステロイドを投与する。
病態
第15番と第17番染色体の相互転座『t(15;17)』により、PML-RARA融合遺伝子が形成される。この異常な受容体がレチノイン酸(ビタミンA)のシグナルを遮断するため、細胞が「前骨髄球」の段階で分化(成長)を止めて異常増殖する。増殖した細胞は細胞質内に大量の顆粒を持ち、これが壊れて血中に放出されると強烈な凝固活性を示し、DICを引き起こす。
試験・臨床での重要ポイント
アウエル小体(Auer body)が束になった『ファゴット細胞(Faggot cell:柴束細胞)』が画像問題の超定番。ペルオキシダーゼ(POX)染色は『強陽性』。
出血傾向(DICによる脳出血など)が死因のトップであり、APLを疑った瞬間(確定診断を待たずに)直ちに『ATRA(オールトランスレチノイン酸)』を投与開始することが絶対的な鉄則。ATRA投与後に白血球が急増し、発熱や肺浸潤をきたす副作用『分化症候群(ATRA症候群)』にはステロイドで対処する。
覚え方・コツ
「APL(M3)は『DIC(出血)の恐怖』と『特効薬(ATRA)』のセット!異常な前骨髄球にはアウエル小体が束になった『ファゴット(薪の束)細胞』が見られる。染色体は『15と17の転座(t(15;17))』。診断がつかなくても疑ったら即座に『ATRA(ビタミンA)』を飲ませて成長(分化)のスイッチを入れろ!」
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白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。