AIDS(後天性免疫不全症候群)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染により、免疫系の司令塔であるCD4陽性Tリンパ球が破壊され、日和見感染症や悪性腫瘍を発症した状態を指す。早期の多剤併用療法(ART)により、ウイルスを抑制し健常者と変わらない生活を送ることが可能となっている。
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急性期:感染後2〜4週に発熱、咽頭痛、皮疹、リンパ節腫脹(自然軽快する)。
無症候期:数年〜10年以上、自覚症状はないがウイルスは増殖し続ける。
エイズ発症期:指標疾患に応じた症状(激しい咳、呼吸困難、嚥下痛、視力低下、慢性の下痢、認知機能低下など)。
スクリーニング検査:第四世代エライザ法(抗原・抗体同時測定)。『偽陽性』があるため、陽性の場合は必ず確認検査へ進む。
確認検査:ウェスタンブロット法(WB法)、または核酸増幅検査(PCR)。
経過観察:CD4陽性T細胞数、HIV-RNA量(コピー数)の測定。
ART(多剤併用療法):核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、プロテアーゼ阻害薬(PI)、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)などを組み合わせて内服する。
日和見感染症の予防:CD4 < 200/μLで『ST合剤(ニューモシスチス肺炎予防)』、CD4 < 50/μLで『アジスロマイシン(MAC症予防)』の投与を検討する。
曝露後予防(PEP):針刺し事故などの際、72時間以内に抗ウイルス薬を開始する。
病態
HIVがCD4陽性T細胞に感染・増殖し、細胞を破壊することで細胞性免疫が著明に低下する。感染直後の『急性期(インフルエンザ様症状)』、数年〜10年以上の『無症候期』を経て、免疫不全が進行し『指標疾患』を発症するとAIDSと診断される。
試験・臨床での重要ポイント
診断基準となる『23の指標疾患』の暗記が重要。代表格は『ニューモシスチス肺炎』、『カンジダ症(食道・気管)』、『カポジ肉腫』、『クリプトコックス髄膜炎』、『サイトメガロウイルス感染症』など。
血液検査では『CD4陽性T細胞数の減少(200/μL未満で日和見感染リスク増)』が指標となる。治療の基本は3種類以上の抗ウイルス薬を組み合わせる『ART(多剤併用療法)』。一度始めたら自己中断は耐性菌を生むため厳禁だが、ウイルス量が検出限界以下(U=U:Undetectable = Untransmittable)になれば、性交渉による他者への感染リスクもゼロになる。
覚え方・コツ
「AIDSは『HIVが免疫の指揮官(CD4)を暗殺する』病気!指揮官がいなくなると、普段は悪さをしない弱い菌(日和見感染)が暴れ出す。テストに出る指標疾患は、肺なら『ニューモシスチス』、口やノドなら『カンジダ』、皮膚なら紫のシミ『カポジ肉腫』!治療は『ART』。薬をしっかり飲めば、一生エイズを発症せずに天寿を全うできる時代になった!」
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