ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。
最終更新日: 2026年5月31日
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。
皮膚症状:脂漏部位(前胸部、上背部、頭部、額)に好発する、茶褐色・黒褐色の角化性丘疹。癒合して疣状・乳頭状の局面となり、悪臭を伴うことがある。
爪症状:爪の縦条(赤いスジ)、先端のV字型欠損。
悪化因子:夏季(高温多湿)、紫外線、摩擦。
皮膚生検(病理組織):表皮内裂隙(棘融解)、および異常角化細胞である『円形小体(corp rond)』と『穀粒(grain)』の証明。
遺伝子検査:ATP2A2遺伝子変異。
外用薬:ステロイド外用、活性型ビタミンD3外用(角化の調整)。
内服薬:重症例には『エトレチナート(レチノイド:ビタミンA誘導体)』の内服が著効する(※催奇形性があるため避妊が必須)。
悪化因子の回避(紫外線対策、清潔の保持)。
病態
小胞体のカルシウムポンプをコードするATP2A2の異常により、表皮細胞の接着分子(デスモソーム)が正常に形成されず、細胞がバラバラになる(棘融解)。
試験・臨床での重要ポイント
『夏場や紫外線で悪化する』ことと、『脂漏部位(胸、背部、頭髪部)の汚いイボイボ(角化性丘疹)』がキーワード。
病理組織所見が国試の画像問題で超頻出。異常に角化した細胞である『円形小体(corp rond:コープ・ロン)』と『穀粒(grain:グレイン)』を認めるのが絶対的な決定打。
また、爪の先端がV字型に欠ける(V-shaped nick)などの爪変形も特徴的。
覚え方・コツ
「ダリエー病は『汗をかく場所(脂漏部)にできる、臭いを伴うザラザラの丘疹』!夏や紫外線で悪化する。顕微鏡で見ると、細胞の接着剤が壊れてバラバラになり、丸いゴミ(円形小体)と粒のゴミ(穀粒)が散らばっているのがサインだ!治療はビタミンAの飲み薬(エトレチナート)で角化を抑えろ!」
晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
尋常性ざ瘡(ニキビ)は、思春期に好発する毛包脂腺系の慢性炎症性疾患。男性ホルモンによる皮脂分泌亢進、毛穴の角化(毛穴の詰まり)、およびアクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖が複雑に絡み合って発症する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。