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フィッシャー症候群は、風邪や胃腸炎などの先行感染後に免疫異常が生じ、脳神経や末梢神経が障害される疾患である。「外眼筋麻痺・運動失調・腱反射消失」の三徴を特徴とし、ギラン・バレー症候群の類縁疾患とされる。CBTや医師国家試験の神経分野において、三徴の暗記や自己抗体の名称が頻出の重要疾患である。
外眼筋麻痺(物が二重に見える複視、眼球が動かなくなるなど)
運動失調(歩行時のふらつき、まっすぐ歩けない)
四肢の腱反射低下・消失
瞳孔異常(散瞳や対光反射の低下を伴うこともある)
(四肢の著明な運動麻痺は伴わない)
初期評価
問診で1〜3週間前の先行感染(発熱、下痢、上気道炎など)の有無を確認する。神経診察で眼球運動障害、小脳性の歩行失調、腱反射消失の「三徴」が揃っているかを確認する。
検査
血液検査で抗ガングリオシド抗体(とくに抗GQ1b IgG抗体)の陽性を確認する。また、髄液検査を行い、発症1〜2週以降に「蛋白細胞解離(細胞数は正常で蛋白が上昇)」を確認する。
鑑別
ギラン・バレー症候群(四肢の運動麻痺が主体)、重症筋無力症(日内変動あり、腱反射正常、抗アセチルコリン受容体抗体陽性)、Bickerstaff脳幹脳炎(意識障害や錐体路徴候を伴う)、脳幹梗塞と鑑別する。
初期対応
ギラン・バレー症候群と同様に嚥下障害や呼吸障害が合併するリスクがゼロではないため、入院管理下で状態を観察する。運動失調による転倒を防ぐための安全対策も重要である。
根本治療
予後は比較的良好であり自然軽快することが多いが、症状が強い場合や回復を早める目的で、免疫療法(免疫グロブリン大量静注療法:IVIg、または血漿交換療法)を行う。なお、ステロイド単独投与の有効性は証明されていない。
病態
感染を契機に作られた自己抗体が、主に眼を動かす神経(外眼筋)や小脳の連絡路などを攻撃し、局所的な神経障害を引き起こす自己免疫疾患(ギラン・バレー症候群の亜型)である。
原因
カンピロバクター(下痢)やインフルエンザ桿菌(風邪)などの先行感染から1〜3週間後に発症することが多い。
分類
単一の疾患群だが、中枢神経症状(意識障害など)を伴うBickerstaff(ビッカースタッフ)脳幹脳炎と連続するスペクトラム疾患と考えられている。
試験での重要ポイント
「先行感染後の、眼球運動障害(複視)、ふらつき、腱反射消失の三徴」があればこの疾患を疑う。血液検査での「抗GQ1b IgG抗体陽性」と髄液検査での「蛋白細胞解離」は頻出である。四肢の筋力低下は通常みられない点に注意する。鑑別でよく出るのは、同じ先行感染から四肢麻痺を来す「ギラン・バレー症候群」や、眼瞼下垂・複視を来す「重症筋無力症」である。
覚え方・コツ
「フィッシャーの三徴:目(外眼筋麻痺)、ふらつき(運動失調)、反射なし(腱反射消失)、抗体はGQ(サンキュー)1b」と覚える。
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。