最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りする進行性核上性麻痺(PSP)は、脳の基底核や脳幹にタウ蛋白が蓄積し、神経細胞が脱落する指定難病である。初期からの易転倒性(後方への転倒)や下方への垂直性眼球運動障害を特徴とする。パーキンソン症候群を呈する代表的な疾患であり、医師国家試験の神経内科分野において鑑別疾患として超頻出である。
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進行性核上性麻痺(PSP)は、脳の基底核や脳幹にタウ蛋白が蓄積し、神経細胞が脱落する指定難病である。初期からの易転倒性(後方への転倒)や下方への垂直性眼球運動障害を特徴とする。パーキンソン症候群を呈する代表的な疾患であり、医師国家試験の神経内科分野において鑑別疾患として超頻出である。
易転倒性(発症早期からみられ、とくに後方へ倒れやすい)
垂直性眼球運動障害(とくに下方視が困難になる)
パーキンソニズム(無動、筋強剛など。ただし安静時振戦は少ない)
偽性球麻痺(嚥下障害、構音障害)
認知機能障害(前頭葉機能の低下)
初期評価
問診で転倒のエピソード(とくに発症1年以内)を確認する。神経診察で眼球運動(指を追従させて上下の動きを確認)、頸部の後屈、すくみ足などの歩行障害を評価する。
検査
頭部MRI(正中矢状断)が必須であり、中脳被蓋の萎縮(ハミングバードサイン)や第3脳室の拡大を確認する。SPECTでは前頭葉や基底核の血流低下を認める。
鑑別
パーキンソン病(初期の転倒はまれ、L-dopa著効、安静時振戦あり)、多系統萎縮症(自律神経障害や小脳症状が主体)、大脳皮質基底核変性症(左右差の強いパーキンソニズムと失行・失語など)と鑑別する。
初期対応
転倒による骨折や外傷を防ぐため、生活環境の整備(段差の解消、手すりの設置など)や歩行器の導入といった安全対策を最優先で行う。嚥下障害に対する食事形態の調整や誤嚥性肺炎の予防も重要である。
根本治療
疾患の進行を止める根本的な治療法は確立されていない。パーキンソニズムに対してL-dopaなどの抗パーキンソン薬を試みるが、効果は限定的(または一時的)である。進行に応じてリハビリテーションを中心とした対症療法を行う。
病態
大脳基底核、中脳、橋、小脳などの神経細胞やグリア細胞に異常なタウ蛋白が蓄積し、神経細胞が脱落するタウオパチー(神経変性疾患)である。
原因
原因は不明だが、タウ蛋白の異常リン酸化と凝集が関与している。孤発性がほとんどで、中年以降(50〜70歳代)に発症する。
分類
典型的な症状を示すRichardson症候群(PSP-RS)のほか、パーキンソン病に似たPSP-Pなどに細分類される。
試験での重要ポイント
「初期からの後方への転倒(易転倒性)」と「下方視を中心とした垂直性眼球運動障害(下が見られない)」があればこの疾患を疑う。頭部MRIにおける中脳被蓋の萎縮(ハミングバードサイン:ハチドリのくちばし状)は画像問題として超頻出である。L-dopa(レボドパ)が効きにくいことも重要。鑑別でよく出るのは「パーキンソン病(初期は転倒しにくい、L-dopa著効)」や「多系統萎縮症」である。
覚え方・コツ
「PSPは、ハチドリ(MRI)が下を見られず(下方視障害)、後ろにひっくり返る(後方転倒)」と覚える。
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ランバート・イートン症候群(LEMS)は、神経筋接合部の神経末端からのアセチルコリン放出が障害され、筋力低下を来す自己免疫疾患である。肺小細胞癌などの悪性腫瘍に合併することが多く、下肢近位筋の筋力低下を特徴とする。CBTや医師国家試験では重症筋無力症との鑑別が超頻出の重要疾患である。
大脳皮質基底核変性症(CBD)は、脳の皮質と基底核の両方が萎縮し、タウ蛋白が蓄積する進行性の神経変性疾患である。左右差の顕著な筋強剛や肢位失行、他人の手徴候を特徴とする。指定難病であり、医師国家試験やCBTでは進行性核上性麻痺(PSP)との鑑別問題で超頻出の重要疾患である。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、大脳皮質から脊髄にかけての上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが選択的に進行性に変性・脱落する指定難病である。全身の筋力低下や筋萎縮、球麻痺症状を特徴とし、最終的に呼吸筋麻痺に至る。CBTや医師国家試験の神経分野で毎年問われる超頻出疾患である。
脊髄小脳変性症(SCD)は、小脳や脊髄の神経細胞が徐々に変性・脱落していく進行性の指定難病の総称である。歩行時のふらつきや手の震え、呂律が回らないなどの運動失調を主症状とする。孤発性と遺伝性があり、CBTや医師国家試験では多系統萎縮症(MSA)との分類や小脳症状の診察法が毎年問われる頻出疾患である。