医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
肺胞蛋白症は、肺胞内にサーファクタント由来の異常な蛋白様物質が過剰に蓄積し、ガス交換が障害される稀な呼吸器疾患である。健診での異常陰影や労作時の息切れを契機に発見されることが多い。CBTや医師国家試験において、特徴的な胸部CT画像や気管支肺胞洗浄液(BALF)の所見、特殊な治療法が頻出である。
労作時呼吸困難(進行性の息切れ)
乾性咳嗽(痰を伴わない咳。時に白濁した痰を伴う)
全身倦怠感・体重減少
ばち指(低酸素血症が進行した重症例)
※初期は無症状であることが多く、健康診断の胸部X線検査で偶然発見されるケースも多い。
初期評価
健康診断での異常指摘や、持続する乾性咳嗽・息切れの精査として画像診断を進める。
検査
血液検査で間質性肺炎マーカー(KL-6、SP-D、CEA、LDH)の上昇を確認する。特異性の高い「血清抗GM-CSF抗体陽性」を確認する。胸部HRCTで地図状分布を示す「敷石状陰影」を確認する。気管支肺胞洗浄(BALF)を実施し、回収液が「米えぎ汁様(白濁)」であること、細胞診で「PAS染色陽性」の均染性物質や泡沫状マクロファージを証明する。
鑑別
ニューモシスチス肺炎(免疫不全患者に好発、β-D-グルカン上昇)、過敏性肺炎(環境誘発性)、特発性器質化肺炎(COP)、その他の間質性肺炎と鑑別する。
初期対応
無症状で呼吸機能の低下がない(低酸素血症がない)軽症例では、自然寛解することも少なくないため、無治療での「経過観察」が第一選択となる。
根本治療
呼吸困難などの自覚症状が強い場合や低酸素血症が進行する中等症〜重症例では、全身麻酔下で片肺ずつ大量の生理食塩水で洗い流す「全肺洗浄(whole lung lavage)」が標準治療となる。近年では自己免疫性に対し、GM-CSF吸入療法も有効な選択肢として行われている。
病態
肺胞マクロファージの機能低下により、古くなったサーファクタント(表面張力低下物質)が適切に処理されず、肺胞内に多量に蓄積してしまう病態である。
原因
約9割が自己免疫性(特発性)であり、「抗GM-CSF自己抗体」が産生されることでマクロファージの成熟・機能が阻害されることが原因である。その他に粉塵曝露や血液疾患に続発するものや、先天性(遺伝子異常)がある。
分類
原因により、自己免疫性、続発性、先天性に分類される。
試験での重要ポイント
画像問題として胸部高分解能CT(HRCT)での「敷石状陰影(crazy-paving appearance:すりガラス陰影に小葉間隔壁の肥厚が重なる)」は超頻出。検査では「KL-6の上昇」、「BALFの米えぎ汁様白濁」と「PAS染色陽性」が重要キーワード。自覚症状が強く低酸素血症を伴う場合の根本治療が「全肺洗浄」である点も最重要である。
覚え方・コツ
「肺胞蛋白症は、メロン(敷石状陰影)にミルク(白濁BALF)をかけて、PASッと(PAS染色陽性)GM-CSF抗体で洗う(全肺洗浄)」と覚える。
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
肺胞出血症候群は、肺胞内の毛細血管が破壊され、広範な肺胞内出血をきたす病態の総称。「喀血」「進行性の貧血」「胸部X線でのびまん性浸潤影」の三徴を呈し、ANCA関連血管炎やGoodpasture症候群などの自己免疫疾患が主な原因となる。
過換気症候群は、精神的・心理的ストレスを背景に発作的な過呼吸状態となり、血液中の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されることで、呼吸性アルカローシスおよび様々な身体症状をきたす病態である。
薬剤性肺障害は、医薬品の副作用として引き起こされる肺疾患の総称であり、多くは「薬剤性間質性肺炎」の形態をとる。原因薬剤の同定と速やかな中止が治療の第一歩となる。
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。