最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りする血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、全身の微小血管に血栓が多発し、血小板の消費と赤血球の破壊が起こる重篤な血液疾患である。出血症状(紫斑)に加え、精神神経症状や腎障害、発熱の「古典的5徴」を特徴とする。無治療では致死率が極めて高く、CBTや医師国家試験の血液分野において超頻出の緊急疾患である。
Medulava の学習コンテンツとして、理解しやすさと試験実用性を意識して執筆しています。
出血症状(紫斑、点状出血、鼻出血など)
精神神経症状(頭痛、意識障害、痙攣、麻痺など。変動しやすいのが特徴)
発熱(38度以上の発熱がみられることが多い)
貧血症状(全身倦怠感、動悸、黄疸:溶血による)
腎障害(乏尿、血尿など。ただしHUSよりは軽度)
初期評価
古典的5徴(血小板減少、微小血管障害性溶血性貧血、腎障害、発熱、動揺性の精神神経症状)の有無を迅速に評価する。
検査
血液検査で著明な血小板減少、溶血所見(間接ビリルビン上昇、LDH著増、ハプトグロビン低下)、末梢血塗抹標本での「破砕赤血球」の出現を確認する。確定診断のためにADAMTS13活性(10%未満)とインヒビターの有無を測定する。※DICと異なり、PTやAPTTなどの凝固時間は正常である。
鑑別
溶血性尿毒症症候群(HUS:O157などの感染歴、小児に多い、腎障害が主体)、DIC(凝固系異常あり、PT・APTT延長)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP:赤血球系は正常、神経症状なし)と鑑別する。
初期対応
無治療での致死率は90%以上であるため、疑った時点で直ちに専門施設への転送と「血漿交換療法(PE)」の準備を行う。※血小板輸血は微小血栓を増悪させるため原則禁忌である(致死的な出血がある場合を除く)。
根本治療
新鮮凍結血漿(FFP)を用いた血漿交換療法が第一選択であり、ADAMTS13の補充とインヒビターの除去を行う。後天性自己免疫性の場合は、自己抗体の産生を抑えるために副腎皮質ステロイドやリツキシマブ(抗CD20抗体)を併用する。近年はカプラシズマブ(抗VWFナノボディ)も用いられる。
病態
フォンヴィレブランド因子(VWF)を切断する酵素であるADAMTS13の活性が著しく低下することで、巨大なVWFマルチマーが血中に蓄積し、全身の細小血管で血小板血栓が多発する状態。
原因
後天性(大部分を占める)は、ADAMTS13に対する自己抗体(インヒビター)の産生が原因となる。先天性(Upshaw-Schulman症候群)は同酵素の遺伝子変異による。
分類
後天性(自己免疫性)と先天性(Upshaw-Schulman症候群)に分類される。
試験での重要ポイント
「紫斑(出血症状)、精神神経症状、発熱、腎機能障害、破砕赤血球の出現(微小血管障害性溶血性貧血)」の古典的5徴があればこの疾患を疑う。検査での「ADAMTS13活性の著減(10%未満)」は頻出。直ちに「血漿交換療法」を行うことが最重要であり、血小板輸血は血栓形成を助長するため「原則禁忌」であることは超頻出。鑑別でよく出るのは、腎障害が前面に出る「溶血性尿毒症症候群(HUS)」や「DIC」である。
覚え方・コツ
「TTPの5徴:血(血小板減少)・神(神経症状)・熱(発熱)・貧(溶血性貧血)・腎(腎障害)」と、「血小板輸血は火に油(禁忌)、血漿交換で入れ替える」と覚える。
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再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞が自己免疫異常などにより減少し、白血球、赤血球、血小板のすべてが減少(汎血球減少)する指定難病である。動悸や息切れ、感染による発熱、出血傾向を特徴とする。CBTや医師国家試験の血液分野において、検査所見や重症度に応じた治療法の選択が毎年問われる超頻出の重要疾患である。
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、自己抗体によって血小板が過剰に壊され、血が止まりにくくなる自己免疫疾患である。あざ(紫斑)や点状出血、鼻血などを主症状とする。血液疾患の中でも、CBTや医師国家試験において検査所見や治療法が毎年問われる超頻出の重要疾患である。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、後天的な遺伝子変異により赤血球が自身の補体に破壊されやすくなる後天性の血管内溶血性疾患である。睡眠中の呼吸性アシドーシスにより溶血が亢進し、早朝の褐色尿(ヘモグロビン尿)を特徴とする。CBTや医師国家試験の血液分野で、特徴的な症状や検査所見が毎年問われる超頻出疾患である。
骨髄異形成症候群(MDS)は、造血幹細胞の異常により、無効造血と血球の形態異常(異形成)を来す疾患群である。末梢血では汎血球減少を示すが、骨髄は過形成となるのが特徴である。急性骨髄性白血病(AML)へ移行しやすく、CBTや医師国家試験の血液分野において再生不良性貧血との鑑別が超頻出の疾患である。