デスフルランは血液への溶解度が極めて低く、麻酔深度の変更と覚醒が非常に速い吸入麻酔薬である。気道刺激性が強く、吸入導入には適さない。
スープレン
吸入麻酔薬
複数の中枢神経系受容体とイオンチャネルへ作用し、抑制性神経伝達を増強しながら興奮性伝達を抑える。血液・ガス分配係数が吸入麻酔薬の中でも極めて低く、肺胞濃度と脳内濃度が急速に平衡へ近づく。このため、投与濃度の変更が麻酔深度へ速やかに反映され、長時間手術後でも覚醒が速い。代謝率は非常に低く、ほとんどが呼気から排泄される。気道刺激性が強く、急速な濃度上昇では交感神経を刺激して頻脈と血圧上昇を起こす。
全身麻酔の維持に用いられる。肥満患者、長時間手術、術後早期の神経学的評価が必要な患者など、速やかな覚醒が望まれる場面で有用である。刺激臭と気道刺激が強いため、マスクによる吸入導入には適さず、通常は静脈麻酔薬で導入して気道確保後に使用する。沸点が室温に近く蒸気圧が高いため、加温・加圧された専用気化器を使用する。
低血圧、呼吸抑制、無呼吸、術後悪心・嘔吐を起こす。咳嗽、息こらえ、喉頭痙攣、気管支痙攣などの気道刺激症状が強い。吸入濃度を急速に上げると交感神経が刺激され、頻脈、血圧上昇、心筋酸素需要増加が生じる。悪性高熱症、横紋筋融解、高K血症は重篤な副作用である。CO2吸収剤が乾燥している場合、一酸化炭素が発生し、カルボキシヘモグロビン血症を起こす可能性がある。
オピオイド、プロポフォール、ベンゾジアゼピン系薬との併用で必要濃度は低下するが、呼吸・循環抑制は増強する。非脱分極性筋弛緩薬の作用を増強する。スキサメトニウムとの併用では悪性高熱症に注意する。乾燥したCO2吸収剤との接触により一酸化炭素が生成される可能性があるため、麻酔器の管理が重要となる。
悪性高熱症の既往または素因がある患者、ハロゲン化吸入麻酔薬による重篤な肝障害や過敏反応の既往がある患者には投与しない。気道刺激性が強いため、気道確保前の小児、重篤な気道過敏性、気管支痙攣リスクが高い患者への吸入導入は避ける。重篤な循環血液量減少、頭蓋内圧亢進、虚血性心疾患では急激な循環変動に注意する。
吸入麻酔薬の中でも血液・ガス分配係数が極めて低く、麻酔深度の変更と覚醒が速い。気道刺激性が強いため吸入導入には不向きで、急速な濃度上昇により頻脈・高血圧を起こす。専用気化器が必要である。悪性高熱症の原因薬であり、乾燥CO2吸収剤との反応による一酸化炭素生成も重要となる。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。