スコポラミンは中枢移行性の高いムスカリン受容体遮断薬である。前庭系から嘔吐中枢へのコリン作動性伝達を抑え、乗物酔いに伴う悪心・嘔吐を軽減する。
抗コリン薬
ムスカリン受容体を可逆的かつ競合的に遮断する。脂溶性が高く血液脳関門を通過し、前庭神経核や嘔吐中枢におけるコリン作動性伝達を抑制する。末梢では唾液分泌、消化管運動、発汗を低下させ、眼では散瞳と調節麻痺を起こす。これらの作用により動揺病に伴う悪心・嘔吐を予防する。
乗物酔いに伴うめまい、悪心、嘔吐の予防・軽減に用いられる。麻酔前投薬として唾液・気道分泌を抑える目的で用いられることもある。予防効果を得るには症状出現前の投与が有効である。
口渇、便秘、排尿困難、散瞳、羞明、眼圧上昇、頻脈、発汗低下がみられる。中枢移行性が高いため、眠気、記憶障害、錯乱、幻覚、せん妄を起こし得る。高齢者では認知機能低下や転倒、乳幼児では高体温に注意する。
三環系抗うつ薬、第一世代抗ヒスタミン薬、抗精神病薬、抗Parkinson病薬などとの併用で抗コリン作用が増強する。アルコールや中枢神経抑制薬との併用では眠気や判断力低下が強まる。コリンエステラーゼ阻害薬とは薬理作用が拮抗する。
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大などによる尿閉、麻痺性イレウスや重篤な消化管閉塞では抗コリン作用により病態を悪化させるため使用しない。本剤の成分に対する過敏症の既往がある患者にも投与しない。
アトロピンと同じムスカリン受容体遮断薬だが、中枢移行性が高く乗物酔いの予防に用いられる。前庭系から嘔吐中枢へのコリン作動性入力を抑える。口渇、散瞳、尿閉、便秘に加え、せん妄や記憶障害などの中枢性抗コリン作用が識別点となる。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。