MMTのやり方と覚え方|0〜5の判定・代償・国試で問われる筋をリハ学生向けに解説

MMTのやり方をリハ学生向けに解説。0〜5の判定、抗重力位・重力除去位、代償の見抜き方、国試頻出筋の覚え方まで整理します。

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MMTは、PT・OT学生が必ず使う評価です。しかし実習では、「抵抗のかけ方が分からない」「3と4の違いが曖昧」「代償を見逃す」といった壁にぶつかりやすい評価でもあります。
MMTは力比べではありません。正しい肢位で、重力との関係をそろえ、代償を抑えて、対象筋がどれだけ働けるかを見る検査です。Oxford scale / MRC系の筋力評価は0〜5段階で筋力を表す方法として広く用いられ、NIEHSのManual Muscle Testing Proceduresでも、重力除去位、抗重力位、抵抗に対する保持という考え方が整理されています。
MMTは数字を丸暗記すると混乱します。次のように「重力」と「抵抗」で覚えると、かなり整理しやすくなります。
評点 | 意味 | 覚え方 |
|---|---|---|
0 | 筋収縮なし | 何も感じない |
1 | 筋収縮はあるが運動なし | ぴくっとする |
2 | 重力を除けば全可動域動く | 横なら動く |
3 | 抗重力で全可動域動く | 上げられるが抵抗は無理 |
4 | 中等度の抵抗に耐える | 押してもある程度耐える |
5 | 強い抵抗に耐える | 正常筋力 |
最重要は、2と3の境目は重力、3と4の境目は抵抗です。
重力除去で動く → 2
抗重力で動く → 3
抵抗に耐える → 4〜5基本手順は次の通りです。
目的の筋と運動方向を確認する
患者さんに検査内容を説明する
正しい開始肢位を取る
まず抗重力位で動かしてもらう
全可動域動けば抵抗を加える
動かなければ重力除去位で確認する
代償の有無を確認する
左右差と痛みを記録する
MMTは、検査肢位が崩れると結果が変わります。特に股関節外転、股関節伸展、肩関節外転、足関節底屈では代償が出やすいので注意してください。
MMTを筋名だけで覚えると忘れます。動作とセットで覚えましょう。
筋 | 主な作用 | 関連する動作 |
|---|---|---|
中殿筋 | 股関節外転 | 片脚立位、立脚期の骨盤保持 |
大殿筋 | 股関節伸展 | 立ち上がり、階段昇降 |
腸腰筋 | 股関節屈曲 | 下肢の振り出し |
大腿四頭筋 |
このように覚えると、MMTが歩行分析やADL評価に直結します。
実習で怒られやすいのは、代償を見逃したときです。
中殿筋を見るときに、股関節屈曲や外旋が混ざることがあります。骨盤が後退したり、体幹を側屈したりする場合もあります。評価では骨盤を固定し、下肢がまっすぐ外転しているかを確認します。
大殿筋を見るときに、腰椎伸展で代償しやすいです。腰を反って脚が上がったように見える場合は、股関節伸展ではなく体幹代償です。
下腿三頭筋は立位で踵上げを見ることが多いですが、膝屈曲や体幹前傾で代償することがあります。片脚踵上げが難しい場合は、座位や腹臥位での確認も必要です。
MMTで学生が一番迷うのは3、4、5です。
3:抗重力で全可動域は動くが、抵抗に耐えられない
4:抵抗には耐えるが、健側や正常と比べると弱い
5:十分な抵抗に耐え、明らかな左右差がないただし、臨床では体格、年齢、疼痛、疾患、協力度によって結果が変わります。単に「4です」と書くだけでなく、疼痛や可動域制限が影響していないかも確認しましょう。
レポートでは、MMTの点数だけを書くと評価が浅く見えます。次の型を使うと考察につながります。
〇〇筋 MMT 3。抗重力で全可動域は可能だが抵抗には不十分。
この筋力低下により、〇〇動作の〇〇局面で〇〇が生じている可能性がある。例:
右中殿筋MMT3。抗重力で外転可能だが抵抗には不十分。右立脚中期に左骨盤下制を認めており、股関節外転筋力低下が歩行時の骨盤安定性低下に関与している可能性がある。
この形にすると、検査結果が歩行分析につながります。
国試では、MMTの肢位、主動作筋、代償、関連動作が問われます。
おすすめの勉強順は次の通りです。
筋の作用を覚える
MMT肢位を確認する
代償を1つ覚える
歩行・ADLとの関係を覚える
過去問で確認する
特に、下肢のMMTは歩行問題とセットで出やすいので、歩行分析の基本と一緒に復習してください。
MMTは点数だけを覚えても、実習では使えません。Medulavaのアスクレピアで「中殿筋MMT3が歩行にどう影響するか」「前脛骨筋低下でなぜつまずくか」と聞くと、評価結果を動作へつなぐ練習ができます。
また、疾患図鑑で脳卒中、変形性膝関節症、末梢神経障害などを確認すると、MMTがどの疾患のどの所見と関係するかを整理しやすくなります。
まずは中殿筋、大殿筋、腸腰筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋、下腿三頭筋です。歩行や立ち上がりと結びつくため、実習でも国試でも使いやすいです。
点数だけでなく、どの動作に影響しているかまで書きます。「右中殿筋MMT3、左5。右立脚期の骨盤保持低下と関連する可能性」のように書くと評価になります。
体格、年齢、疼痛、疾患を考慮します。強く押せばよいわけではありません。検査肢位が崩れず、対象筋の収縮を見られる範囲で行います。
・厚生労働省|令和6年版 理学療法士作業療法士国家試験出題基準
・日本理学療法士協会|臨床実習教育の手引き(第6版)
・日本リハビリテーション医学会|関節可動域表示ならびに測定法改訂に関する告知(2022年4月改訂)
・厚生労働省|日常生活動作(ADL)の指標 FIMの概要
・Stanford Medicine 25|Deep Tendon Reflexes
・MSDマニュアル プロフェッショナル版|反射の評価
・NCBI Bookshelf|Trauma Neurological Exam
・Huang et al.|Improving the utility of the Brunnstrom recovery stages in patients with stroke
・Medulava|疾患図鑑
・Medulava|概念図鑑
Medulava の学習コンテンツとして、理解しやすさと再現性を意識して執筆しています。
この記事で理解した内容を、そのまま次の学習アクションへつなげられます。
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立ち上がり、立脚初期の膝安定 |
ハムストリングス | 膝屈曲・股伸展 | 遊脚終期、減速 |
前脛骨筋 | 足関節背屈 | 踵接地、つまずき予防 |
下腿三頭筋 | 足関節底屈 | 立脚後期の蹴り出し |