急性虫垂炎は、虫垂内腔の閉塞を契機に細菌感染を伴って急激に炎症を起こす疾患であり、急性腹症の代表格である。心窩部から右下腹部へと移動する腹痛を特徴とし、CBTや医師国家試験では特有の身体所見(McBurney点など)や画像所見が毎年必ず問われる超頻出疾患である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
心窩部痛、臍周部痛(初期)
右下腹部痛(発症から数時間後に移動)
悪心、嘔吐、食欲不振
発熱(微熱〜中等度熱)
筋性防御、反跳痛(Blumberg徴候:腹膜炎波及時)
初期評価
心窩部から右下腹部へ移動する腹痛の経過を聴取する。McBurney点などの右下腹部の圧痛、反跳痛、Rovsing徴候などの腹部身体所見を確認する。
検査
腹部超音波(エコー)検査や造影CTを実施し、虫垂の腫大(外径6mm以上)や壁肥厚、糞石、周囲の脂肪織濃度上昇、液体貯留を確認する。血液検査で白血球数およびCRPの上昇を認める。
鑑別
鑑別でよく出るのは、女性における婦人科疾患(異所性妊娠の破裂、卵巣出血、骨盤内炎症性疾患:PIDなど)である。その他、大腸憩室炎、尿管結石(血尿を伴う激痛)、感染性腸炎(下痢が前面に出る)などを除外する。
初期対応
絶飲食として補液を行い、セフェム系などの抗菌薬の点滴静注を開始する。軽症(カタル性)であれば抗菌薬のみによる保存的治療で軽快することもある。
根本治療
第一選択は外科的切除(虫垂切除術)である。近年は侵襲の少ない腹腔鏡下虫垂切除術が標準となっている。穿孔を伴う周囲膿瘍形成例では、直ちに手術をせず、まずは抗菌薬や経皮的ドレナージで炎症を落ち着かせた後、数ヶ月後に待機的切除を行う(interval appendectomy)戦略をとることもある。
病態
虫垂の内腔が閉塞することで、内部での粘液の貯留と内圧上昇、血流障害が生じ、腸内細菌が増殖して炎症を起こす。進行すると壁が壊死・穿孔し、腹膜炎に至る。
原因
糞石(石灰化した便)による閉塞が最多である。若年者ではリンパ濾胞の過形成、高齢者では腫瘍が原因となることもある。
分類
炎症の波及度により、カタル性(粘膜のみの軽度炎症)、蜂窩織炎性(壁全層の炎症)、壊疽性(壁の壊死・穿孔を伴う)の3段階に分類される。
試験での重要ポイント
「初期に心窩部痛や悪心があり、数時間〜半日後に右下腹部痛へ移動した」という病歴があればこの疾患を強く疑う。McBurney点(右前上腸骨棘と臍を結ぶ外側1/3)の圧痛や、反跳痛(Blumberg徴候)、Rovsing徴候(左下腹部を圧迫すると右下腹部が痛む)などの身体所見の名称と意義は超頻出である。画像問題ではCTや超音波で腫大した虫垂や糞石を指摘させる問題が定番である。
覚え方・コツ
「虫垂炎の痛みは『上から下へ(心窩部→右下腹部)』移動する。マックバーニーを押して離すと痛い(反跳痛)。エコーやCTで腫れたソーセージ(虫垂)と石ころ(糞石)を探せ!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
変形性膝関節症は、加齢、肥満、筋力低下などを背景に、膝関節のクッションである関節軟骨が摩耗・変性し、関節の変形と慢性的な疼痛をきたす疾患。中高年の女性に多く、日本人は内側(O脚)の障害が圧倒的に多い。
関節が正常な位置関係を失った状態。日常診療と国試で重要なのは「肩関節脱臼」「小児の肘内障」「股関節脱臼」である。それぞれ特有の受傷機転と転位方向、および神経・血管損傷などの合併症を持つ。
大腿骨頸部骨折は、高齢者が転倒した際に生じやすい股関節の骨折。関節包(関節の袋)の「内側」で折れるため、骨頭を栄養する血流が絶たれやすく、「大腿骨頭壊死」や「偽関節(骨がくっつかない)」のリスクが極めて高い。寝たきりの原因となるため早期の手術が必要。
椎体圧迫骨折は、脊椎の椎体(主に前側)が潰れるように骨折する病態。骨粗鬆症の高齢者に好発し、尻餅をつくなどの軽微な外傷、あるいは自覚的な外傷なしで発症する。背中が丸くなる円背(亀背)の原因となる。