医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
アルコール依存症は、飲酒に対する強い欲求(精神依存)と、飲酒を中断すると生じる離脱症状(身体依存)を特徴とする精神疾患である。CBTや国試では、振戦せん妄などの離脱症状、ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症、および治療目標としての完全断酒・自助グループの参加が超頻出である。
精神依存(飲酒への強烈な渇望、コントロール喪失)
身体依存(耐性の形成、および離脱症状)
【早期離脱症状】(数時間〜):手指振戦、発汗、頻脈、不眠。
【後期離脱症状】(2〜3日後):振戦せん妄(小動物の幻視、見当識障害、著明な自律神経亢進)。
合併症:肝硬変、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、アルコール性認知症。
初期評価
問診(CAGEテストなど:Cut down, Annoyed, Guilty, Eye-opener)で飲酒問題をスクリーニングする。離脱症状の有無と合併症(肝機能、栄養状態)を評価する。
鑑別
他の物質依存、統合失調症(幻視ではなく幻聴が主体)、その他の原因によるせん妄や認知症。
治療(3段階)
①【解毒期】:離脱症状のコントロール。振戦せん妄の予防・治療にはベンゾジアゼピン系薬(ジアゼパムなど)を使用。ウェルニッケ脳症予防のために『ビタミンB1(チアミン)の大量静注(※ブドウ糖投与より先に投与する)』が必須。
②【リハビリテーション期】:心理教育、抗酒薬(ジスルフィラム、シアナミド)や飲酒欲求低減薬(アカンプロサート)の投与。
③【維持期】:AA(アルコホーリクス・アノニマス)や断酒会などの自助グループへ継続的に参加し、生涯にわたる完全断酒を維持する。
病態
長期間の多量飲酒により、脳の報酬系や抑制系(GABA受容体など)が変化し、アルコールなしでは正常な神経活動を維持できなくなる。
試験での重要ポイント
飲酒を止めると手が震えたり汗をかいたりする『離脱症状』が頻出。特に飲酒中止後2〜3日で出現する『振戦せん妄(意識混濁、小動物の幻視など)』は救急対応が必要。また、アルコール性肝障害だけでなく、多量飲酒によるビタミンB1(チアミン)欠乏が引き起こす『ウェルニッケ脳症(眼球運動障害、運動失調、意識障害の三徴)』が絶対暗記。これを放置すると、不可逆的な記銘力障害と作話(嘘をつく)を特徴とする『コルサコフ症候群』に移行する。治療の最終目標は「節酒」ではなく『完全断酒』であり、『AA(アルコホーリクス・アノニマス)や断酒会』への参加が必須。
覚え方・コツ
「酒が切れると手が震え、虫が見える(振戦せん妄=離脱症状)。ビタミンB1不足で『目が動かない・フラフラ・ボケる』のウェルニッケ脳症に!ボケが固定して作り話(作話)を始めたらコルサコフ症候群。治療は『節酒は絶対ムリ、一生一滴も飲まない(完全断酒)』!仲間(自助グループ)と一緒に治せ!」
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