アンジェルマン症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「母親由来」の発現異常による疾患。プラダー・ウィリー症候群と対をなすインプリンティング疾患であり、重度の知的障害、てんかん、および「理由のない笑顔や笑い声」を特徴とする。
最終更新日: 2026年5月31日
アンジェルマン症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「母親由来」の発現異常による疾患。プラダー・ウィリー症候群と対をなすインプリンティング疾患であり、重度の知的障害、てんかん、および「理由のない笑顔や笑い声」を特徴とする。
特異な行動:容易に引き起こされる笑い、幸福そうな表情、手を羽ばたかせる動作(flapping tremor)、水への異常な執着。
神経・運動:重度の知的障害、言語表出の著しい欠如、失調性歩行・四肢の振戦(puppet-like gait)。
てんかん発作、小頭症、睡眠障害。
メチル化解析等の遺伝子検査:15q11-q13領域の母親由来アレルの発現欠損を証明する。
脳波検査:特徴的な異常波(高振幅徐波など)を認める。
てんかんに対する抗てんかん薬の投与(バルプロ酸など)。
睡眠障害に対する睡眠導入剤。
療育・リハビリテーション:非言語的コミュニケーション(サイン、絵カード)の獲得支援、理学療法。
病態
15q11-q13領域の「母親由来」の遺伝子(特にUBE3A遺伝子)が機能しないことで発症する(微小欠失、父親由来の片親性ダイソミーなど)。
試験・臨床での重要ポイント
『行動の特徴(happy puppet:幸せな操り人形)』が国試のキーワード。
常にニコニコしており、『些細な刺激で容易に引き起こされる笑い(不適切な爆笑)』と、手をパタパタさせながらぎこちなく歩く『失調性歩行(操り人形様歩行)』が非常に特徴的である。
また、言語発達が極めて不良(言葉を全く話さないことも多い)であり、『てんかん(けいれん発作)』を高率(80%以上)に合併する。
覚え方・コツ
「アンジェルマンは『言葉が出ない代わりに、いつも笑っている操り人形(happy puppet)』!ママ(Maternal)由来の15番遺伝子がないとアンジェルマンになる。パパ由来がないPWS(肥満)とは対照的。手をパタパタさせて歩き、突然ゲラゲラ笑い出す。てんかん発作を起こしやすいから、脳波検査と抗てんかん薬が必須だ!」
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。