胆道閉塞は、胆管が結石(総胆管結石)や悪性腫瘍(胆管癌、膵頭部癌、十二指腸乳頭部癌など)によって物理的に塞がれ、胆汁が十二指腸へ排泄されなくなる病態。行き場を失ったビリルビンが血液中に逆流し、「閉塞性黄疸」をきたす。
最終更新日: 2026年5月31日
胆道閉塞は、胆管が結石(総胆管結石)や悪性腫瘍(胆管癌、膵頭部癌、十二指腸乳頭部癌など)によって物理的に塞がれ、胆汁が十二指腸へ排泄されなくなる病態。行き場を失ったビリルビンが血液中に逆流し、「閉塞性黄疸」をきたす。
黄疸(皮膚・眼球結膜の黄染)。
灰白色便、褐色尿。
皮膚掻痒感(胆汁酸の沈着による)。
結石や胆管炎を合併した場合:激しい右上腹部痛、高熱、悪寒戦慄。
血液検査:直接ビリルビン優位の高ビリルビン血症。ALP、γ-GTP(胆道系酵素)の著増。
腹部超音波(エコー)・CT:『肝内外の胆管の拡張(閉塞部より上流が太くなる)』。原因となる結石や腫瘤の描出。
MRCP(磁気共鳴胆膵管造影):非侵襲的に胆道系の全体像と閉塞部位を評価。
胆道ドレナージ(減黄術:必須):
①内視鏡的ドレナージ(ERBD/ENBD):十二指腸カメラ(ERCP)を用いて、下からステントやチューブを入れる(第一選択)。
②経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD/PTBD):内視鏡困難例に対し、体の外から肝臓越しに針を刺してチューブを入れる。
原因疾患の治療:結石の除去(採石術)、悪性腫瘍の外科的切除。
病態
肝臓で処理された「直接(抱合型)ビリルビン」を含む胆汁が腸へ流れないため、ウンチに色がつかず、逆に血液中に溢れた直接ビリルビンが尿から出ておしっこが濃くなる。胆汁酸が皮膚に蓄積すると強烈な痒みを生じる。
試験・臨床での重要ポイント
症状の三徴『黄疸、灰白色便(白いウンチ)、褐色尿(濃い尿)』が超頻出。
血液検査では、『直接ビリルビン』の上昇と、胆道系酵素である『ALP、γ-GTPの著増』が特徴。
最も恐ろしい合併症が『急性胆管炎』。滞留した胆汁に腸内細菌が感染すると、毛細胆管から血中に菌が逆流し、直ちに敗血症・ショック(Charcotの三徴、Reynoldsの五徴)を引き起こすため、一刻も早い『胆道ドレナージ(ERCPによるチューブ留置)』が必要となる。
覚え方・コツ
「閉塞性黄疸は『胆汁の出口が塞がれた、肝臓のパイプ詰まり』!直接ビリルビンが血に溢れるから白目が黄色くなり(黄疸)、ウンチは絵の具を忘れたように『真っ白(灰白色便)』、尿は『コーラ色(褐色尿)』になる。詰まった水は腐る法則で、そこにバイキンが湧くと命に関わる『急性胆管炎』に!内視鏡(ERCP)で急いでパイプを通す(ドレナージ)のが救命の鍵だ!」
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。