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子宮頸管無力症は、妊娠中・後期に陣痛(子宮収縮)や出血を伴わずに子宮頸管が熟化・開大し、流産や早産に至る疾患である。自覚症状がないまま進行し、健診の内診や経腟エコーで頸管の短縮や胎胞の脱出が発見されることが特徴。
無症状(初期は自覚症状が全くないことが多い)。
進行すると、帯下の増量、水っぽい帯下、骨盤内の圧迫感や下垂感、少量の出血などを自覚することがある。
さらに進行すると胎胞が脱出し、前期破水や陣痛が発来して流早産となる。
初期評価
妊娠中期の妊婦健診において偶然発見されることが多い。円錐切除術の既往や過去の中期流産歴がある場合はハイリスクとして警戒する。
検査
『経腟超音波検査』で子宮頸管長の短縮(通常25mm未満を警戒、20mm未満でハイリスク)と、内子宮口の開大(funneling:楔状・U字状開大)を確認する。『腟鏡診』および『内診』で、外子宮口の開大や胎胞(卵膜に包まれた羊水)の膨隆・脱出を直接視診する。感染兆候(絨毛膜羊膜炎)の有無を血液検査や腟分泌物培養で確認する。
保存的治療
頸管長短縮が軽度であれば、安静臥床、骨盤高位、黄体ホルモン製剤の投与、子宮収縮抑制薬(塩酸リトドリンなど)の投与を行い経過観察する。
外科的治療
頸管長が著しく短縮している場合や、過去に中期流産の既往がある場合、すでに胎胞が形成されている場合は『子宮頸管縫縮術』の適応となる。代表的な術式に、内子宮口の高さで縛る『シロッカー(Shirodkar)法』と、それよりやや低い位置で縛る『マクドナルド(McDonald)法』がある。※明らかな絨毛膜羊膜炎(感染)や前期破水、陣痛が発来している場合は手術禁忌となる。
病態
子宮頸部の組織的脆弱性(先天性、または子宮頸部円錐切除術後、過去の分娩時頸管裂傷などの後天的要因)により、胎児や羊水の重みに耐えられず、無痛性に頸管が開大してしまう状態。
試験・臨床での重要ポイント
「妊娠中期(16〜24週頃)」に「おなかの張り(子宮収縮)や痛み、出血がない」にもかかわらず、妊婦健診の経腟超音波検査で「子宮頸管の短縮(25mm未満)」や「内子宮口のV字・漏斗状開大(funneling)」、進行すると「胎胞の形成・脱出(卵膜が腟内に見え隠れする)」を指摘されるエピソードが超定番。治療として子宮口を縛る『子宮頸管縫縮術(シロッカー法、マクドナルド法)』を行うことが絶対暗記キーワードである。
覚え方・コツ
「頸管無力症は『痛みのない(無自覚の)流産・早産』のサイン!おなかの張りも痛みもないのに、子宮の出口(頸管)が緩んで開いてしまい、赤ちゃんの袋(胎胞)が落ちてきそうになる。原因は過去の円錐切除術など。赤ちゃんが落ちないように、出口を糸で縛る手術(縫縮術)をして妊娠を維持する!」
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胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。