CHARGE症候群は、CHD7遺伝子変異によって生じる多発奇形症候群。特徴的な6つの主要症状(C, H, A, R, G, E)の頭文字をとって名付けられており、特に「後鼻孔閉鎖」と「虹彩欠損」の組み合わせが特徴的である。
最終更新日: 2026年5月31日
CHARGE症候群は、CHD7遺伝子変異によって生じる多発奇形症候群。特徴的な6つの主要症状(C, H, A, R, G, E)の頭文字をとって名付けられており、特に「後鼻孔閉鎖」と「虹彩欠損」の組み合わせが特徴的である。
呼吸器:出生直後の重篤な呼吸困難、チアノーゼ(泣くと口呼吸になるためチアノーゼが改善するのが後鼻孔閉鎖の特徴)。
眼・耳:視力障害(網膜剥離リスク)、重度の難聴、特異な耳の形。
嚥下障害・胃食道逆流(脳神経異常による)。
顔面神経麻痺(非対称な泣き顔)。
診断基準(Blakeの基準など):大基準(Coloboma、後鼻孔閉鎖、特異な耳介・難聴、脳神経異常)と小基準の組み合わせで臨床的に診断する。
遺伝子検査:CHD7遺伝子の変異(約60-70%で認められる)。
気道確保(最優先):後鼻孔閉鎖に対して気管挿管やエアウェイ挿入を行い、早期に後鼻孔開通術などの外科的治療を行う。
心疾患や嚥下障害に対する外科的・支持的治療(胃瘻造設など)。
感覚器障害に対する早期からの療育(補聴器、人工内耳、視覚支援)。
病態
胎児期の神経堤細胞の発達異常などにより、感覚器(目、耳、鼻)や中枢神経、心臓、外性器など多岐にわたる器官の形成異常を生じる。
試験・臨床での重要ポイント
疾患名の由来となる『6つの症状(CHARGE)』が全て。
【C】Coloboma:虹彩・網膜などの欠損(黒目が欠けて鍵穴のように見える)。
【H】Heart defect:先天性心疾患(TOF、VSD、DORVなど様々)。
【A】Atresia choanae:『後鼻孔閉鎖』。出生直後から鼻呼吸ができず、チアノーゼや呼吸困難をきたす重大なサイン。
【R】Retardation:成長障害、精神運動発達遅滞。
【G】Genital hypoplasia:外性器低形成(男児の小陰茎や停留精巣)。
【E】Ear anomalies:特異な耳介奇形、難聴(蝸牛や三半規管の形成不全)。
覚え方・コツ
「CHARGE症候群は『頭文字そのままの奇形デパート』!一番の目印は【A】の『後鼻孔閉鎖(鼻の奥がふさがっている)』と、【C】の『コロボーマ(虹彩欠損)』だ。赤ちゃんは鼻呼吸しかできないから、後鼻孔閉鎖があると生まれた瞬間に息ができなくて大パニックになる。目と鼻と耳の奇形が揃ったらCHARGEを疑え!」
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。