コタール症候群は、自分自身が「すでに死んでいる」「内臓がない」「世界は存在しない」などと思い込む、極端な虚無妄想・否定妄想を特徴とする症候群。高齢者の重症うつ病や統合失調症にみられ、電気けいれん療法の適応となる。
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虚無妄想(自分は死んでいる、血が流れていない、臓器がない、世界が存在しない)
不死妄想(永遠に苦しむために死ぬこともできない)
極度の抑うつ、不安、焦燥感
食事拒否(拒食)、無痛覚
初期評価
特徴的な虚無妄想から診断する。背景にある重症うつ病や統合失調症などの精神疾患を評価し、衰弱の程度や自殺リスクを緊急にアセスメントする。
治療方針
うつ病などの原疾患に対する強力な治療が必要。重篤な精神運動抑制や食事拒否による衰弱、強い希死念慮を伴うため、薬物療法(抗うつ薬や抗精神病薬)だけでは効果発現に時間がかかり危険である。そのため、即効性のある『電気けいれん療法(ECT)』が極めて有効な治療選択肢となる。栄養管理と安全確保のための入院保護が必須である。
病態
極度の抑うつや不安、自己不全感が、自己の存在や身体の存在そのものを否定する「虚無妄想(否定妄想)」へと極端に発展した状態である。
試験・臨床での重要ポイント
高齢者の重症うつ病(退行期メランコリー)などでみられる。「私には胃腸がないから食べても意味がない」「私はもう死んでいて腐敗している」といった『微小妄想(心気妄想・虚無妄想)』の極北とも言える症状である。食事拒否による衰弱や、自殺リスクが極めて高い。速やかな介入が必要であり、『電気けいれん療法(ECT)』が極めて有効な適応となる。
覚え方・コツ
「コタール症候群は『私はもう死んでいる(虚無妄想)』と思い込む重症のうつ病!内臓がないからご飯も食べない(衰弱リスクMAX)。クスリが効くのを待つ余裕がないから、すぐに電気けいれん療法(ECT)で脳をリセットしろ!」
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うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミン枯渇を背景とし、2週間以上続く抑うつ気分と興味・喜びの喪失を中核症状とする疾患である。CBTや国試では、早朝覚醒や日内変動、微小妄想、および休養とSSRIによる治療、自殺念慮への対応(励まし禁忌)が頻出の重要疾患である。
注意欠如・多動症(ADHD)は、不注意(集中力がない、ミスが多い)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくとすぐ行動する)を特徴とする神経発達症である。前頭前野を中心としたドパミンやノルアドレナリンの機能不全が関与している。CBTや医師国家試験では、DSM-5の診断基準(12歳以前の発症)、合併症(ASD、LD)、および薬物療法の作用機序の使い分けが頻出である。
双極性障害(躁うつ病)は、異常に気分が高揚する「躁状態(または軽躁状態)」と、気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神疾患である。激しい躁状態を伴う「双極I型障害」と、社会生活を破綻させない程度の軽躁状態を伴う「双極II型障害」に大別される。CBTや医師国家試験では、うつ病との鑑別や、リチウムなどの気分安定薬を用いた治療、抗うつ薬による「躁転」のリスクが毎年問われる超頻出疾患である。
適応障害は、明確なストレス因(転勤、人間関係、病気など)に対して不釣り合いなほどの苦痛を感じ、抑うつや不安などの情緒的・行動的症状をきたす疾患である。CBTや国試では、ストレス因から離れると症状が軽快する点や、第一選択の対応が環境調整であることが頻出である。