クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
皮膚症状:下肢の紫斑(palpable purpura:血管炎による)、レイノー現象、網状皮斑、皮膚潰瘍。
全身症状:関節痛、全身倦怠感。
臓器障害:腎炎(MPGNによる血尿・蛋白尿)、末梢神経障害(しびれ)。
血液検査:血清を冷却して白濁・沈殿(クリオグロブリン)を証明する。補体価(C4など)の低下、リウマトイド因子(RF)陽性。
原因検索:HCV抗体、HCV-RNAの測定(混合型クリオグロブリン血症の大部分がHCV関連)。
原疾患の治療:HCVが原因の場合は、C型肝炎に対する抗ウイルス療法(DAA)が著効する。
対症療法:保温、寒冷曝露の回避。
重症臓器障害(重度腎炎や血管炎)の合併時:副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、血漿交換を検討する。
病態
異常な免疫グロブリンの複合体が、寒冷時に血管内で沈殿して血流障害を起こしたり、血管壁に沈着して血管炎(III型アレルギー)を引き起こす。
試験・臨床での重要ポイント
『C型肝炎(HCV)』の代表的な肝外合併症として国試で頻出。
寒冷刺激をきっかけとして、下肢を中心とした『紫斑(palpable purpura:触れる紫斑)』、『関節痛』、『全身倦怠感』の三徴を呈することが多い。
また、腎臓の糸球体に沈着すると『膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)』を引き起こすのが重要なキーワード。血清補体価(C3, C4, CH50)は低下する。
覚え方・コツ
「クリオグロブリン血症は『C型肝炎の人が、寒いと血がドロドロになって血管が詰まる病気』!寒さに当たると足に『触れる紫斑』ができたり、関節が痛くなったりする。腎臓に詰まると『膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)』になって補体が下がる!原因のC型肝炎を治す(DAAを飲む)ことが一番の治療だ!」
白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。