FDは、胃カメラなどで潰瘍や癌などの器質的疾患が認められないにもかかわらず、胃もたれや心窩部痛などの腹部症状が慢性的に続く疾患である。胃の適応性弛緩の障害や知覚過敏が主な原因とされる、現代人に非常に多い疾患である。
最終更新日: 2026年4月24日
FDは、胃カメラなどで潰瘍や癌などの器質的疾患が認められないにもかかわらず、胃もたれや心窩部痛などの腹部症状が慢性的に続く疾患である。胃の適応性弛緩の障害や知覚過敏が主な原因とされる、現代人に非常に多い疾患である。
食後収穫(もたれ):食べたものがいつまでも胃に残っている感じ。
早期飽満感:食べ始めてすぐに満腹感を感じ、食事が進まない。
心窩部痛:みぞおちの痛み。
心窩部灼熱感:みぞおちが焼けるような感じ。
除外診断が基本:上部消化管内視鏡(胃カメラ)で潰瘍、癌、逆流性食道炎がないことを確認。腹部エコーや血液検査で胆石、膵炎などを除外する。問診で症状の持続期間と頻度を確認する。
生活指導:規則正しい生活、暴飲暴食の回避、ストレス管理。
薬物療法:
第一選択:『アコチアミド(胃運動改善薬)』、または『酸分泌抑制薬(PPI、P-CAB)』。
第二選択:六君子湯(漢方薬)、抗不安薬・抗うつ薬(心因的要因が強い場合)。ピロリ菌陽性なら除菌。
病態
胃の動きが悪い(運動不全)、胃が膨らまない(適応性弛緩障害)、わずかな刺激で痛みを感じる(知覚過敏)、心理的ストレスなどが複雑に関与する。
試験・臨床での重要ポイント
「症状はあるのに胃カメラは正常」というのが大前提。診断には『Rome IV基準』などの定義が用いられる。①食後膨満感(もたれ)、②早期飽満感(すぐお腹いっぱい)、③心窩部痛、④心窩部灼熱感、の4つのうち1つ以上が3ヶ月以上続いていることが目安。ピロリ菌感染がある場合はまず除菌を行い、それでも症状が残る場合をFDとする。
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。