肝嚢胞は、肝臓内に液体が貯留した袋(嚢胞)が形成される極めてありふれた良性疾患である。無症状で偶然発見されることが多く、エコーで内部が無エコー(真っ黒)に抜けるのが特徴。巨大化しない限り放置してよい。
最終更新日: 2026年4月26日
肝嚢胞は、肝臓内に液体が貯留した袋(嚢胞)が形成される極めてありふれた良性疾患である。無症状で偶然発見されることが多く、エコーで内部が無エコー(真っ黒)に抜けるのが特徴。巨大化しない限り放置してよい。
大部分は無症状。
巨大化(数10cmなど)すると、周囲臓器の圧迫による腹部膨満感、鈍痛、胃部不快感。
稀に嚢胞内出血や感染、破裂を起こすと、急激な腹痛や発熱をきたす。
腹部超音波(エコー):『内部無エコー』、『後方エコー増強』。壁は薄く平滑。
腹部CT:水と同等の低吸収域(黒)。造影剤を入れても『造影効果がない(染まらない)』。
MRI:T1強調画像で低信号、T2強調画像で著明な高信号(真っ白)。
無症状:『経過観察(放置)』。
有症状(巨大な圧迫症状)や感染・出血合併:嚢胞に針を刺して水を抜き、アルコールを入れて壁を焼いて癒着させる『嚢胞穿刺吸引・エタノール注入療法』、あるいは腹腔鏡下で嚢胞の天井を切り取る『腹腔鏡下嚢胞天蓋切除術(開窓術)』を行う。
病態
先天性に胆管から発生するものが多い。内部はサラサラとした漿液(水)で満たされている。加齢とともに増大、増加傾向を示す。
試験・臨床での重要ポイント
画像問題で超定番。腹部エコーで『境界明瞭・平滑』で『内部が無エコー(水なので超音波を反射せず真っ黒に写る)』、そして水が超音波を通しやすいため、嚢胞の後ろ側が白く明るく見える『後方エコーの増強』を認めるのが絶対的なサイン。
原則は放置でよいが、無数に肝嚢胞がある場合は『多発性嚢胞腎(ADPKD)』の合併を疑い、腎臓のエコーも確認する必要がある。エキノコックス症(寄生虫)や嚢胞腺癌などの悪性疾患との鑑別は必要。
覚え方・コツ
「肝嚢胞は『肝臓にできたただの水ぶくれ』!お年寄りのエコー検査で見つかる超定番の良性所見。エコーで見ると『中は真っ黒(無エコー)、後ろは真っ白(後方エコー増強)』なのがサイン。水だからガンにはならないし、大きくなって胃を圧迫したり痛みがでたりしない限りは完全に放置でOK!」
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。