医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
ハンチントン病は、大脳基底核(線条体)や大脳皮質の神経細胞が変性・脱落する常染色体顕性遺伝(優性遺伝)の指定難病である。顔や手足のピクピクとした舞踏運動(意図しない不規則な動き)と、進行性の認知・精神機能障害を特徴とする。CBTや医師国家試験の神経分野において、遺伝形式や特徴的な画像所見が頻出の重要疾患である。
舞踏運動(顔面や四肢のピクピクした素早く不規則な不随意運動)
認知機能障害(記憶力低下や判断力低下などの進行性認知症)
精神症状(うつ、性格変化、怒りっぽさ、幻覚・妄想など)
構音障害・嚥下障害
眼球運動障害(とくに素早く目を動かすサッカードの障害)
初期評価
家族歴(親から子へ50%の確率で遺伝する常染色体顕性遺伝)の有無を詳細に問診する。神経診察で不随意運動(舞踏運動)や認知・精神症状の有無を確認する。
検査
頭部MRIまたはCTが必須であり、尾状核の萎縮とそれに伴う側脳室前角の拡大を確認する。遺伝カウンセリングを十分に行った上で、遺伝子検査(CAGリピートの異常伸長)を行い確定診断とする。
鑑別
Sydenham舞踏病(A群溶連菌感染後のリウマチ熱に合併)、SLEに伴う舞踏運動、甲状腺機能亢進症、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症と鑑別する。
初期対応
精神症状(うつ状態による自殺企図など)や、不随意運動に伴う転倒への安全対策、嚥下障害に対する食事指導など、多職種連携によるサポート体制を構築する。
根本治療
進行を止める根本的な治療法は確立されていない。舞踏運動を抑えるため、ドパミンを枯渇させるVMAT2阻害薬(テトラベナジン)や、ドパミン受容体を遮断する抗精神病薬(ハロペリドールやチアプリドなど)を投与する対症療法が中心となる。
病態
脳の線条体(尾状核と被殻)や大脳皮質の神経細胞が変性・脱落し、ドパミンの働きが相対的に過剰になることで、自分の意志とは無関係に体が動く不随意運動が生じる。
原因
常染色体顕性遺伝(優性遺伝)である。第4染色体にあるハンチンチン遺伝子の「CAGリピート(トリプレットリピート)」が異常に長く伸びてしまうことが原因である。世代を経るごとに発症年齢が若くなる「表現促進現象(アンティシペーション)」がみられる。
分類
多くは30〜50歳代で発症する「成人型」であるが、20歳未満で発症しパーキンソン病のような動作の遅れ(筋強剛)を呈しやすい「若年型」も存在する。
試験での重要ポイント
「常染色体顕性遺伝(優性遺伝)で、舞踏運動と認知症の家族歴」があればこの疾患を疑う。頭部MRIやCTにおける「尾状核の萎縮による側脳室前角の拡大」は画像問題として超頻出である。原因がCAGリピートの異常伸長であることや、治療薬としてドパミンを抑える薬が使われる点もよく問われる。鑑別でよく出るのは、小児期の発熱後に起こる「Sydenham舞踏病(リウマチ熱後)」や「パーキンソン病」である。
覚え方・コツ
「ハンチントンの4C:Chromosome 4(第4染色体)、CAGリピート、Chorea(舞踏運動)、Cognitive decline(認知機能低下)」と覚える。
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。