高カリウム血症は、血清K濃度が5.5mEq/L以上の状態であり、電解質異常の中で最も致死性が高く緊急の対応を要する。心電図の「テント状T波」から始まり、突然の心室細動・心停止を引き起こす。致死性不整脈予防のための「カルシウム製剤静注」が治療の最優先となる。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
初期は無症状であることが多く、突然の不整脈・心停止で発症する危険性が高い。
四肢のしびれ、脱力感、弛緩性麻痺、悪心。
初期評価:血清K>5.5mEq/L。※採血時の溶血や採血チューブの駆血時間延長による「偽性高カリウム血症」に注意する。
検査:直ちに『12誘導心電図』を施行し、テント状T波などの波形変化を確認する。BUN、Cr(腎不全の評価)、CK(横紋筋融解症の評価)、血液ガス(アシドーシスの評価)。
緊急治療(心電図異常を伴う場合)
①心筋保護(最優先):『10%グルコン酸カルシウム静注』。効果は数分で現れるが短時間のため、以下の治療を並行する。
②Kの細胞内移行:『GI療法(グルコース+インスリン静注)』により、血糖とともにKを細胞内へ引き込む。アシドーシスがあれば炭酸水素ナトリウム静注。
③Kの体外排泄:陽イオン交換樹脂の経口または注腸、ループ利尿薬静注。
④血液透析:重度の腎不全や上記治療に抵抗性の場合は、緊急で血液透析(HD)を導入する。
病態
腎不全によるK排泄の低下が最も多い。その他、細胞内からのK放出(アシドーシス、横紋筋融解症、クラッシュ症候群、腫瘍崩壊症候群)、K保持性利尿薬やACE阻害薬/ARBの副作用などがある。細胞の静止膜電位が浅くなり、心筋の興奮性が異常に変化する。
試験・臨床での重要ポイント
心電図の悪化プロセス『①テント状T波(尖って高いT波) → ②P波の消失・PR延長 → ③QRS幅の拡大 → ④サインカーブ(心室細動・心停止)』が超頻出。
治療の鉄則として、血液検査で高Kを確認し心電図異常があれば、K値を下げるよりも真っ先に『10%グルコン酸カルシウム(カルチコール)の静注』を行う。これはKを下げるのではなく、心筋の閾値電位を上げて「心停止を数分間食い止める(心筋保護)」ための絶対的な初手である。
覚え方・コツ
「高K血症は『突然心臓が止まる』最凶の爆弾!透析患者や筋肉が潰れた人(挫滅症候群)に起きる。心電図はT波がツンツンに尖る『テント状T波』!テントを見たら、悠長にKを抜いている暇はない!真っ先に『カルシウム(カルチコール)』を注射して心臓にバリアを張れ!その後でインスリン等を使ってKを細胞内に押し込め!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
腎血管性高血圧は、腎動脈の狭窄によって腎血流が低下し、腎臓が血圧を上げるホルモン(レニン)を過剰に分泌することで生じる二次性高血圧である。原因として高齢男性の「動脈硬化」と、若年女性の「線維筋性異形成(FMD)」がある。
腎性尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の分泌は正常であるにもかかわらず、腎臓(集合管のV2受容体)がADHに反応しないため、水分の再吸収ができず多尿・口渇をきたす疾患である。
急性尿細管壊死(ATN)は、腎臓の尿細管上皮細胞が虚血や毒性物質によって壊死・脱落し、急激な腎機能の低下(急性腎障害:AKI)をきたす疾患。腎性AKIの中で最も頻度が高く、脱水などによる「腎前性AKI」との鑑別が重要である。
腎静脈血栓症は、腎臓から血液を戻す腎静脈内に血栓が形成される病態。ネフローゼ症候群(特に膜性腎症)の代表的な合併症として知られ、突然の側腹部痛や血尿をきたす。