外鼠径ヘルニアは、腸管が腹壁下動脈の「外側」にある内鼠径輪(深鼠径輪)から鼠径管を通って外鼠径輪(浅鼠径輪)へ脱出するヘルニア。小児のヘルニアはほぼ全例がこれであり、成人でも鼠径ヘルニアの中で最も頻度が高い。
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鼠径部(足の付け根)〜陰嚢の膨隆。立ち上がったり腹圧をかけると膨らみ、仰向けになると戻る。
違和感、牽引痛、重圧感。
※嵌頓時:膨隆が硬く腫れて押し戻せなくなり、激痛、発赤、悪心・嘔吐(腸閉塞症状)を伴う。
初期評価
立位での視診・触診で鼠径部の膨隆を確認し、還納可能(押し戻せるか)かを確認する。
検査
『超音波(エコー)検査』やCT検査で、腹壁下動脈の外側から脱出していること、脱出臓器(小腸や大網など)、および嵌頓・腸管壊死の有無を評価する。
治療方針
小児の場合は1歳頃までに自然治癒することもあるが、治癒しない場合や嵌頓リスクがある場合は手術(高位結紮術:LPEC法など)を行う。
成人の場合は自然治癒しないため、人工物(メッシュ)を用いた修復術(Lichtenstein法や腹腔鏡下TAPP/TEP法など)が標準治療となる。
嵌頓した場合は、用手還納(手で押し戻す)を試みるが、すでに血流障害(絞扼)が疑われる場合は腸管破裂のリスクがあるため直ちに緊急手術(腸管切除を含む)を行う。
病態
小児では腹膜鞘状突起の閉鎖不全による先天性の要因が大きく(男児に多い)、成人では加齢による組織の脆弱化が加わって発症する。鼠径管を通過するため、進行すると陰嚢内まで脱出することが多い。
試験・臨床での重要ポイント
解剖学的な脱出経路が国試で超頻出。『腹壁下動脈の「外側」』にある内鼠径輪から脱出するのが外鼠径ヘルニアである(内側から出る内鼠径ヘルニアとの鑑別)。
また、腸管が抜けなくなり血流障害を起こす『嵌頓(かんとん)』のリスクが内鼠径ヘルニアよりも高く、嵌頓した場合は緊急手術となる。
覚え方・コツ
「外鼠径ヘルニアは『外側』から出て『タマ(陰嚢)』まで落ちる!腹壁下動脈の『外側』の穴(内鼠径輪)を通る。子供のデベソ以外のヘルニアはほぼ全部コレ!腸が首を絞められる『嵌頓』を起こしやすいから、硬くて痛がってたら緊急事態!」
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