鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの構成成分である鉄の不足により、赤血球の産生が低下して生じる貧血。全貧血の中で最も頻度が高く、小球性低色素性貧血を呈する。原因検索(消化管出血や過多月経など)が治療と同じくらい重要である。
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一般貧血症状:動悸、息切れ、易疲労感、顔面蒼白。
組織鉄欠乏症状:スプーン状爪(さじ状爪)、異食症(氷食症)、口角炎、舌炎、嚥下困難(Plummer-Vinson症候群)。
血液検査:Hb低下、MCV低下(< 80 fL:小球性)、MCHC低下(低色素性)。
鉄代謝検査:血清鉄低下、TIBC(またはUIBC)上昇、血清フェリチン低下。
原因検索(必須):便潜血検査、上部・下部消化管内視鏡検査、婦人科エコーなど。
原因疾患の治療(消化管出血の止血、子宮筋腫の治療など)。
鉄剤の補充:『経口鉄剤』の投与。Hbが正常化しても、貯蔵鉄(フェリチン)が満たされるまで数ヶ月間内服を継続する。※経口摂取困難な場合や消化器症状が強い場合は静注鉄剤を用いる。ビタミンCは鉄の吸収を促進し、お茶(タンニン)は阻害するが、現代の鉄剤ではあまり気にしなくてよいとされる。
病態
鉄不足により、ヘムの合成が障害される。原因は①需要増大(成長期、妊娠)、②供給不足(偏食、胃切除後)、③排泄増加(過多月経、消化管出血、子宮筋腫など)に大別される。
試験・臨床での重要ポイント
検査データの動きが超頻出。
『血清鉄(Fe)低下』、『血清フェリチン(貯蔵鉄)低下』、『総鉄結合能(TIBC)上昇』が典型的なパターン。
特異的な身体所見として、爪が反り返る『スプーン状爪(さじ状爪:koilonychia)』、氷を異常に食べる『異食症(氷食症)』、舌炎、口角炎。これに嚥下困難が加わったものを『Plummer-Vinson(プラマー・ビンソン)症候群』と呼ぶ。
覚え方・コツ
「IDAは『材料不足で作られた、小さくて薄い赤血球(小球性低色素性)』!鉄の貯金箱(フェリチン)が空っぽになり、鉄を運ぶトラック(TIBC)はヒマになって増える。爪がスプーンみたいに反り返ったり、氷をガリガリ食べるようになったらサイン!若い女性なら生理のせい(過多月経)、おじいちゃんなら胃ガンや大腸ガン(消化管出血)を必ず疑え!」
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多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。