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ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は、樹状細胞の一種であるランゲルハンス細胞が異常増殖し、骨、皮膚、肺などに肉芽腫を形成する稀な疾患である。呼吸器分野(肺LCH)としては、若年〜中年の喫煙者に好発し、肺の上中肺野に多発する結節や奇妙な形の嚢胞を形成し、自然気胸を繰り返すことが特徴である。CBTや医師国家試験では、喫煙との強い関連や特徴的な画像・病理所見が頻出である。
乾性咳嗽(空咳)
労作時息切れ
自然気胸に伴う突然の胸痛・呼吸困難(約10〜20%に合併)
(肺以外の症状)骨の痛みや腫脹、尿崩症による多飲・多尿、皮疹
初期評価
若年〜中年の喫煙者における気胸や、健診での異常胸部陰影から疑う。
検査
胸部高分解能CT(HRCT)で、下肺野(肺底部)を免れる上・中肺野優位の「小結節影」と「奇妙な形(不定形)の嚢胞」が混在する所見を確認する。確定診断には気管支鏡下肺生検(TBLB)や外科的肺生検を行い、病理組織でCD1a陽性、S-100陽性のランゲルハンス細胞の増生を確認する。気管支肺胞洗浄(BAL)でのCD1a陽性細胞(5%以上)の検出も有用である。
鑑別
リンパ脈管筋腫症(LAM:妊娠可能年齢の女性、肺全体に均一な薄壁嚢胞、喫煙歴無関係)、重症気腫性嚢胞、ニューモシスチス肺炎、Birt-Hogg-Dubé症候群と鑑別する。
初期対応
肺LCHに対する最も重要かつ第一の治療は「禁煙」である。禁煙のみで病変が退縮・改善する症例も多い。気胸を発症した場合は、胸腔ドレナージや胸膜癒着術などの処置を行う。
根本治療
禁煙しても進行する場合や多臓器浸潤がある重症例に対しては、副腎皮質ステロイドの全身投与を行う。さらに難治性の場合は、化学療法(ビンブラスチン、シタラビンなど)や、近年ではBRAF阻害薬(ダブラフェニブ等)の分子標的治療が選択されることがある。肺病変が極めて進行した場合は肺移植の適応となる。
病態
樹状細胞由来のランゲルハンス細胞(BRAF遺伝子変異を伴うことが多い)が、好酸球などの炎症細胞とともに各臓器で増殖し、組織を破壊する。
原因
肺単独のLCH(肺好酸球性肉芽腫症)は、患者の90%以上が喫煙者であり、タバコ煙による免疫応答の異常が強く関与している。
分類
単一臓器型(肺のみ、骨のみなど)と多臓器型に分類される。かつてはHand-Schüller-Christian病、Letterer-Siwe病などと呼ばれていた疾患群を含む。
試験での重要ポイント
呼吸器疾患としては「若年の喫煙者、気胸、上・中肺野優位の結節・嚢胞影」の組み合わせが超頻出。病理組織検査における免疫染色での「CD1a陽性、S-100蛋白陽性」や、電子顕微鏡でのテニスラケット状の「Birbeck(バーベック)顆粒」は最重要キーワード。また、下垂体浸潤による「尿崩症」や、頭蓋骨の「打ち抜き像(punched-out lesion)」を伴うこともある。鑑別でよく出るのは、同じく肺に嚢胞を形成するが若年女性に好発し下肺野にも及ぶ「リンパ脈管筋腫症(LAM)」である。
覚え方・コツ
「LCHの肺病変は、タバコ大好き若者、上の方に穴(嚢胞)と結節、病理はテニスラケット(Birbeck)でCD1a(一番)!」と覚える。
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肺胞出血症候群は、肺胞内の毛細血管が破壊され、広範な肺胞内出血をきたす病態の総称。「喀血」「進行性の貧血」「胸部X線でのびまん性浸潤影」の三徴を呈し、ANCA関連血管炎やGoodpasture症候群などの自己免疫疾患が主な原因となる。
過換気症候群は、精神的・心理的ストレスを背景に発作的な過呼吸状態となり、血液中の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されることで、呼吸性アルカローシスおよび様々な身体症状をきたす病態である。
薬剤性肺障害は、医薬品の副作用として引き起こされる肺疾患の総称であり、多くは「薬剤性間質性肺炎」の形態をとる。原因薬剤の同定と速やかな中止が治療の第一歩となる。
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。