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扁平苔癬は、皮膚や粘膜にそう痒を伴う紫紅色の扁平隆起性丘疹が多発する難治性の炎症性角化症である。細胞性免疫異常が背景にあり、特に日本においてはC型肝炎ウイルス(HCV)感染との合併率が高い。CBTや医師国家試験では、口腔粘膜のWickham線条や、病理組織での基底層の液状変性、ケブネル現象が頻出の重要疾患である。
紫紅色の扁平隆起性多角形丘疹(四肢伸側などに好発)
Wickham(ウィッカム)線条(丘疹の表面や頬粘膜に見られる網白色の線条)
口腔粘膜病変(接触痛や味覚異常を伴うことがある。歯科領域で重要)
強いそう痒感
爪病変(爪甲の菲薄化、縦条)
Köbner現象(引っ掻いた部位に沿って新しい皮疹ができる)
初期評価
特徴的な紫紅色丘疹とWickham線条を確認し、HCV感染の既往や内服薬、歯科金属の有無を問診する。
検査
血液検査で「HCV抗体」を必ず確認する(陽性ならHCV-RNAも測定)。確定診断には皮膚生検を行い、「不全角化を伴わない角質肥厚(乾癬は不全角化)」「表皮突起の鋸歯状延長」「基底層の液状変性」「真皮上層の帯状リンパ球浸潤」を確認する。
鑑別
鑑別でよく出るのは、同じくKöbner現象が陽性となる「尋常性乾癬」である。乾癬は銀白色の鱗屑を伴い、病理で不全角化を認める点で鑑別できる。口腔内病変は白板症(前癌病変)やカンジダ症と鑑別する。
初期対応
原因の同定と除去が最優先である。薬剤性や金属アレルギーが疑われる場合は、被疑薬の中止や歯科金属の除去(レジンへの置換など)を行う。
根本治療
皮疹やそう痒に対しては、「副腎皮質ステロイド外用薬」が第一選択となる。HCV感染が背景にある場合は、消化器内科と連携して抗HCV療法(DAA製剤など)を行うことで皮疹も劇的に改善することが多い。難治例には紫外線療法(ナローバンドUVBなど)やステロイドの内服を検討する。
病態
T細胞を主体とする細胞性免疫の異常により、表皮基底層の細胞が破壊される(液状変性)炎症性角化症である。
原因
日本では約60%の患者でC型肝炎ウイルス(HCV)感染を伴う。その他、薬剤(降圧薬など)や歯科用金属アレルギー、ストレスなどが原因となることがある。
分類
皮疹を主体とする「皮膚型」と、頬粘膜などに病変を形成する「粘膜型(口腔扁平苔癬)」に大別される。
試験での重要ポイント
画像問題で「紫紅色の扁平な丘疹」や、頬粘膜の「レース状の白い線条(Wickham線条)」が出れば本疾患を強く疑う。乾癬と同様に、健常な皮膚を引っ掻くとそこに新しい皮疹ができる『Köbner(ケブネル)現象』が陽性となる点も頻出である。また、病理組織問題として『基底細胞層の液状変性(liquefaction degeneration)』と『真皮上層の帯状リンパ球浸潤』、表皮突起の『鋸歯状延長(saw-tooth appearance)』が問われる。合併症として必ず「HCV抗体」を確認する。
覚え方・コツ
「扁平苔癬は、C型肝炎(HCV)の口に白いレース(Wickham線条)。紫の平たいブツブツ(紫紅色扁平丘疹)で、引っ掻くと増える(Köbner現象)。病理は基底層がドロドロ(液状変性)!」
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晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。