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卵巣生殖細胞腫瘍は、卵子のもととなる生殖細胞から発生する腫瘍で、若年女性に好発する。大多数は良性の「成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫)」であるが、未分化胚細胞腫や卵黄嚢腫瘍などの悪性腫瘍もある。CBTや国試では、成熟嚢胞性奇形腫の茎捻転リスク、MRIでの脂肪信号、および高齢期の悪性転化が頻出である。
通常は無症状で、健診などで偶然発見されることが多い。
【茎捻転・破裂時】:突然の激しい下腹部痛、悪心・嘔吐(ショックを伴う急性腹症として発症する)。
腫瘤が大きくなると下腹部の腫瘤触知や圧迫症状をきたす。
初期評価
若年女性の下腹部痛や、健診での卵巣嚢腫の指摘から疑う。腹部レントゲンで石灰化(歯牙や骨成分)を認めることがある。
検査
経腟超音波検査でRokitansky結節を確認する。確定診断は骨盤MRIであり、「脂肪成分の証明(T1高信号、脂肪抑制で低信号への減衰)」を行う(※子宮内膜症性のチョコレート嚢胞もT1高信号だが、脂肪ではないため脂肪抑制でも高信号のままである点で鑑別する)。悪性を疑う充実成分があれば、腫瘍マーカー(AFP、LDH、hCGなど)やSCC抗原(悪性転化のスクリーニング)を測定する。
良性(成熟嚢胞性奇形腫)の治療
卵巣機能温存のため、腹腔鏡下での「卵巣腫瘍核出術(正常な卵巣部分を残す)」を第一選択とする。
茎捻転を起こした場合は緊急手術となる(腹腔鏡下で捻転を解除し、血流が回復すれば核出術。壊死している場合は付属器切除術を行う)。
悪性の治療
手術療法に加えて、多剤併用化学療法(BEP療法:ブレオマイシン+エトポシド+シスプラチンなど)を行う。若年者が多いため、初期であれば患側の付属器切除にとどめ、健側の卵巣・子宮を残す「妊孕性温存手術」を積極的に行う。
病態・分類
生殖細胞(胚細胞)が単為生殖的に増殖・分化したもの。
【成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫)】:良性。生殖細胞腫瘍の90%以上を占め、若年女性に多い。外・中・内胚葉由来の組織(毛髪、皮脂、歯、骨など)を含む。
【未分化胚細胞腫(ディスゴルギノーマ)】:悪性。LDHが上昇。放射線・化学療法に感受性が高い。
【卵黄嚢腫瘍】:悪性。小児〜若年女性。AFP(α-フェトプロテイン)が著明に上昇。シラー・デュバル小体が特徴。
試験での重要ポイント
画像問題として、超音波で髪の毛の塊(hair ball)や高エコーの充実成分(Rokitansky結節)を持つ嚢胞が出題される。骨盤MRIが確定診断に必須であり、『T1強調画像で高信号』を示し、『脂肪抑制T1強調画像で信号が低下(黒く抜ける)』することで脂肪成分を証明する点が超頻出。中身が不均一で比重が偏っているため『茎捻転』を起こしやすく、突然の急性腹症で搬送されるエピソードが定番。また、高齢(40歳以上)の皮様嚢腫は『扁平上皮癌(スクワモーマ)』に悪性転化するリスクがあることも重要。
覚え方・コツ
「皮様嚢腫(奇形腫)の中身は髪の毛やアブラ、歯。エコーで見えるし、MRIは脂肪だからT1で白、脂肪抑制で真っ黒になる!重心が偏ってるからクルッと捻転しやすい(激痛)。おばあちゃんになるまで放置すると癌(スクワモーマ)に化ける!」
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胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。