前置胎盤は、胎盤が正常より低い位置に付着し、子宮口(内子宮口)の全体または一部を覆っている状態。妊娠後期の「無痛性性器出血」を特徴とし、経腟分娩は不可能で予定帝王切開となる。内診は出血を誘発するため「絶対禁忌」である。
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突然の無痛性性器出血(鮮血)。妊娠28週以降に起こりやすい(警告出血:warning bleeding)。
※出血に伴う腹痛や子宮の張り(収縮)はない。
胎位の異常(骨盤位・横位)を合併しやすい。
経腟超音波検査(第一選択):胎盤下縁が内子宮口を覆っている、あるいは内子宮口に達していることを確認する(安全に行える)。
MRI:癒着胎盤の合併の有無を評価する。
※内診は【絶対禁忌】。
安静・待機療法:出血が少量であれば、子宮収縮抑制薬を使用しながら妊娠37週頃まで待機する。大出血に備え、自己血貯血を行う。
予定帝王切開(原則):妊娠37週前後に選択的帝王切開を行う。
緊急帝王切開:待機中に大出血を起こし止血困難な場合は、週数に関わらず緊急で帝王切開を行う。
病態
過去の帝王切開、多産、流産手術の既往、高齢妊娠、喫煙などがリスク(子宮内膜が傷んでいる場所に胎盤ができやすい)。妊娠末期に子宮下部が引き伸ばされる際、伸びない胎盤との間にズレが生じて出血する。
試験・臨床での重要ポイント
早剥との対比が超重要。『痛みを全く伴わない(無痛性)の、突然の鮮血出血(警告出血)』がキーワード。
超音波で子宮口を覆う胎盤を確認する。出血の原因を探ろうと『不用意に指を入れる内診は、胎盤を突き破って致死的な大出血を招くため【絶対禁忌】』というのが国試の鉄則。
また、前置胎盤に「癒着胎盤(胎盤が子宮の筋肉に食い込んで剥がれない状態)」を合併するリスクが高く、分娩時に子宮全摘が必要となるケースが多い。
覚え方・コツ
「前置胎盤は『赤ちゃんの出口に胎盤がフタをしている状態』!お腹は全く痛くないのに、真っ赤な血(鮮血)が急に出る(警告出血)。出口が塞がっているから下から(経腟)は絶対に産めないし、指を入れて確認する(内診)のはフタを破る大事故になるから絶対ダメ!自己血をたっぷり貯金して、予定帝王切開で安全に出産だ!」
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胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。