医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
弾力線維性仮性黄色腫(PXE)は、ABCC6遺伝子の変異により全身の弾性線維が石灰化・断裂・変性する常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。CBTや国試では、頸部などの「むしり取った鶏の皮」様の皮膚病変、眼底の網膜血管線条、および消化管出血や心血管障害の合併が頻出である。
皮膚病変:頸部、腋窩、鼡径部などの黄色小結節・皮膚弛緩(ザラザラした外観)
眼病変:網膜血管線条、黄斑部出血、視力低下
心血管系:間欠性跛行、狭心症、心筋梗塞、高血圧
消化管病変:反復する消化管出血(吐血、下血)
初期評価
頸部や腋窩の特異な皮膚病変と、若年での心血管イベントや消化管出血から疑う。
検査
皮膚生検で、真皮中層の弾性線維の断裂・縮れと、von Kossa染色などによる『カルシウム沈着(石灰化)』を証明する。眼底検査、心エコー、ABI(足関節上腕血圧比)などで全身の合併症を評価する。確定診断はABCC6遺伝子解析。
治療
疾患そのものを根治する治療法はない。合併症に対する対症療法・予防が中心となる。心血管疾患予防のため、禁煙、高血圧や脂質異常症の厳格なコントロールを行う。眼底出血(脈絡膜新生血管)に対しては抗VEGF薬の硝子体内注射が行われる。頭部への強い衝撃(コンタクトスポーツなど)は眼底出血を誘発するため避ける。
病態
肝臓や腎臓で発現する膜輸送タンパク質(ABCC6)の異常により、血中の無機ピロリン酸(石灰化抑制物質)が低下し、皮膚、眼、血管の弾性線維(エラスチン)に異常な石灰化と断裂が生じる。
試験での重要ポイント
3つの主要臓器(皮膚・眼・血管)の病変が問われる。皮膚症状として、思春期頃から頸部や腋窩などの屈曲部に『黄色小結節が網目状に配列(鶏原皮様:plucked chicken skin)』し、皮膚が弛緩する。眼症状として、眼底検査で『網膜血管線条(angioid streaks)』を認め、視力低下の原因となる。血管病変として、動脈の弾性が失われるため若年からの『消化管出血』や『間欠性跛行(下肢の動脈硬化)』、『虚血性心疾患』を合併することが致命的となる。
覚え方・コツ
「PXEは弾力(エラスチン)が石灰化してボロボロになる病気。首の皮膚がザラザラ・たるむ(鶏の皮)。眼底にヒビ割れ(血管線条)。血管が硬くなって若くして胃から血を吐いたり、心筋梗塞になる!」
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晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
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ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。