血小板減少症は、一次止血を担う血小板数が基準値(通常15万/μL以下)に低下する病態。点状出血や紫斑などの皮膚粘膜出血を特徴とし、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、骨髄での産生低下(白血病など)が代表的な原因である。
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皮膚粘膜出血:点状出血(下腿に多い)、紫斑(青あざ)、鼻出血、歯肉出血。
消化管出血(下血)、血尿、月経異常。
※頭蓋内出血(脳出血)は致死的となるため最も警戒を要する。
血液検査:血小板数の低下。PAIgG陽性(ITP)。破砕赤血球(TTP、DIC)。PT・APTT延長、FDP・Dダイマー上昇(DIC)。
骨髄検査:巨核球の増加(末梢での破壊亢進:ITPなど)、または巨核球の減少(産生低下:再生不良性貧血など)。
ピロリ菌検査(ITPの鑑別に必須)。
ITPの治療:①ピロリ菌陽性なら『ピロリ菌除菌』、②『副腎皮質ステロイド』、③難治例に『脾摘』やトロンボポエチン(TPO)受容体作動薬。
TTPの治療:『血漿交換療法』(※血小板輸血は血栓を悪化させるため禁忌)。
血小板輸血:活動性出血がある場合、または血小板数が極端に低い(1万〜2万/μL未満)場合に行う(TTPなどを除く)。
病態・鑑別疾患
①『ITP(特発性/免疫性血小板減少性紫斑病)』:自己抗体(PAIgG)により脾臓で血小板が壊される。ピロリ菌感染が原因となることが多く、除菌で治癒することがある。赤血球や白血球は正常で「血小板だけが減る」のが特徴。骨髄では血小板を作る巨核球が増加している。
②『TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)』:ADAMTS13という酵素が働かないため、巨大なVWFが血小板を巻き込んで全身の細い血管に血栓を作る。「血小板減少、溶血性貧血、腎障害、発熱、精神神経症状」の五徴が有名で、血漿交換が特効薬。
③『DIC(播種性血管内凝固症候群)』:全身で血液が凝固し、血小板と凝固因子を使い果たして逆に出血する。敗血症や急性前骨髄球性白血病(APL)に合併する。
試験・臨床での重要ポイント
出血の「出方」が重要。血小板の異常は『一次止血異常』であるため、『点状出血(押しても消えない赤い点)、紫斑、鼻出血、歯肉出血、過多月経』などの「皮膚・粘膜出血」が主体となる(関節内出血などの深部出血は凝固因子異常のサイン)。
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多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。