TORCH症候群は、母体が妊娠中に感染することで胎盤を介して胎児に感染し、先天奇形や重篤な障害を引き起こす病原体の頭文字をとった総称。トキソプラズマ(T)、その他(O)、風疹(R)、サイトメガロウイルス(C)、単純ヘルペス(H)を指す。
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共通症状:FGR、小頭症、肝脾腫、黄疸、点状出血・紫斑、血小板減少。
トキソプラズマ:脳内石灰化、水頭症、網脈絡膜炎。
風疹(CRS):白内障、難聴、PDA。
CMV:脳室周囲石灰化、難聴。
梅毒:実質性角膜炎、難聴、ハッチンソン歯(切歯の変形)。
母体の抗体検査(IgM、IgGの推移やIgG avidity検査)。
胎児・新生児のPCR検査(羊水、臍帯血、新生児の尿・唾液などからのウイルスDNA/RNAの検出)。
超音波検査や頭部CT/MRIによる頭蓋内石灰化等の画像評価。
トキソプラズマ:ピリメタミン・スルファジアジン・葉酸の投与。
CMV:症候性の場合、ガンシクロビルまたはバルガンシクロビル(抗ウイルス薬)の投与により難聴の進行を防ぐ。
HSV:アシクロビルの点滴静注。
梅毒:ペニシリン系抗菌薬の投与。
風疹:根本治療はなく対症療法。最大の対策は『妊娠前のワクチン接種による予防』。
病原体と個別の特徴(超頻出)
①【T】Toxoplasma(トキソプラズマ):猫のフンや生肉から感染。『脳内石灰化(脳実質)』『水頭症』『網脈絡膜炎』が三徴。※CMVの石灰化との違いに注意。
②【O】Other:梅毒(先天梅毒:Hutchinson三徴)、パルボウイルスB19(胎児水腫)、水痘(VZV)、B型/C型肝炎など。
③【R】Rubella(風疹):妊娠初期の感染で発症。『先天性風疹症候群の三徴(白内障、感音難聴、先天性心疾患:PDA等)』が絶対的キーワード。
④【C】CMV(サイトメガロウイルス):最も頻度が高い。『脳室周囲の石灰化』、小頭症、難聴、紫斑(ブルーベリーマフィン様皮疹)。
⑤【H】HSV(単純ヘルペス):産道感染が多い。水疱性皮疹、重篤な脳炎。
共通する症状
子宮内胎児発育不全(FGR)、小頭症、肝脾腫、黄疸、血小板減少症。
覚え方・コツ
「TORCHは『お腹の赤ちゃんを攻撃するバイキン軍団』!全体的に『小さく生まれて(FGR)、頭が小さく、肝臓が腫れる』。個別問題では画像所見が狙われる!風疹は『目・耳・心臓(PDA)』の三徴。石灰化の場所は、トキソプラズマが『脳の中バラバラ(実質)』、CMVが『脳室の周り(縁取り)』だ!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。