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ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。
乾性脚気(末梢神経障害):下肢のしびれ、感覚鈍麻、腱反射の消失、筋力低下。
湿性脚気(循環器障害):動悸、息切れ、全身の浮腫(高拍出性心不全)。
Wernicke脳症(中枢神経障害):意識障害、眼球運動障害、小脳性運動失調。
Korsakoff症候群:記銘力障害、見当識障害、作話(作り話で記憶の欠落を埋める)。
問診:偏食、大量飲酒、胃切除後、重症妊娠悪阻などの既往。
血液検査:血中ビタミンB1(チアミン)低値。乳酸・ピルビン酸の蓄積(上昇)。
頭部MRI:Wernicke脳症では、中脳水道周囲、乳頭体、視床内側部にT2/FLAIR高信号病変を認める。
『ビタミンB1(チアミン)の迅速な静脈内投与』。
Wernicke脳症が疑われる場合は、一刻も早いB1の大量静注が必要。※輸液にブドウ糖を含める場合は、必ずB1を同時に(または先行して)投与する。
※Korsakoff症候群まで進行すると、ビタミンB1を投与しても記憶障害は元に戻らない(不可逆的)ことが多い。
病態
ビタミンB1は糖質をエネルギー(ATP)に変換する際の補酵素であるため、欠乏するとエネルギーを大量に消費する神経や心筋が機能不全に陥る。偏食(インスタント食品ばかり)、重症悪阻(つわり)、慢性アルコール依存症などが原因となる。
試験・臨床での重要ポイント
『Wernicke(ウェルニッケ)脳症』が国試で超頻出。アルコール依存症の患者が『①意識障害、②眼球運動障害(外転神経麻痺など)、③運動失調』の三徴を呈したらコレ。進行すると不可逆的な記憶障害(作話、健忘)を主とする『Korsakoff(コルサコフ)症候群』に至る。
救急現場での絶対的禁忌が重要。疑い患者に対し『ビタミンB1を入れずにブドウ糖(糖質)だけを大量静注すると、残っていたB1が一気に消費されてWernicke脳症が急激に悪化(発症)する』ため、必ずB1を含んだ輸液を用いる。
覚え方・コツ
「ビタミンB1欠乏は『糖を燃やせないエネルギー切れ病』!心臓がヘタってむくむ『湿性脚気(高拍出性心不全)』と、神経がやられる『乾性脚気』。酒飲みのオジサンが目が動かなくなってフラフラ歩いてたら『ウェルニッケ脳症』!救急外来で倒れている酒飲みに、いきなりブドウ糖点滴だけを入れるのはトドメを刺す行為だから絶対NG!必ずB1(チアミン)を先に(一緒に)入れろ!」
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神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
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脳膿瘍は、脳実質内に細菌が感染・増殖し、被膜に覆われた膿の塊(膿瘍)を形成する疾患。副鼻腔炎や中耳炎などからの直接波及や、先天性心疾患(右左シャント)による血行性感染が原因となり、頭蓋内圧亢進症状をきたす。