下垂手は、手関節と手指の伸展ができず、手が掌側へ垂れ下がる所見である。橈骨神経麻痺が代表的原因で、上腕骨骨折、圧迫、鉛中毒、後骨間神経障害などで生じる。
機能所見
橈骨神経は上腕・前腕の伸筋群を支配する。腋窩や上腕骨骨幹部で橈骨神経が障害されると、手関節伸筋と指伸筋の筋力が低下し、屈筋群の作用が相対的に優位となって手関節が掌屈位へ落ちる。障害部位が近位であれば上腕三頭筋や腕橈骨筋も障害され、遠位の後骨間神経障害では感覚障害を伴わず指伸展が中心に障害される。
手関節背屈、指MP関節伸展、母指伸展・外転、肘伸展を左右比較する。手関節伸展時の橈屈・尺屈の偏りも確認する。上腕後面、前腕後面、母指・示指間背側の感覚を評価し、腕橈骨筋反射を確認する。上腕骨骨折、松葉杖、睡眠中の圧迫、飲酒後の体位、鉛曝露を聴取する。頸椎神経根症との鑑別のため上腕三頭筋反射、他筋群、頸部誘発症状も調べる。
C7神経根障害では上腕三頭筋、手関節屈筋など橈骨神経以外の筋も障害され、頸部痛や皮節性感覚障害を伴う。後骨間神経障害では手関節伸展が比較的保たれる一方、指伸展が困難で感覚障害を欠く。中枢性病変では痙縮や反射亢進を伴うことがある。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。