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急性胆管炎は、総胆管結石や悪性腫瘍などによる胆管の閉塞を背景として、うっ滞した胆汁に細菌が感染して生じる致死的な疾患である。Charcotの3徴(発熱、右季肋部痛、黄疸)が特徴であり、重症化すると敗血症性ショックをきたすため、緊急の胆道ドレナージが必須となる。
Charcotの3徴:発熱(悪寒・戦慄を伴う)、右季肋部痛、黄疸。
Reynoldsの5徴:Charcotの3徴 + ショック(低血圧)、意識障害。
※胆嚢炎に比べ、敗血症へ移行するスピードが速いのが特徴。
初期評価
典型的なCharcotの3徴や、血液検査での肝胆道系酵素および炎症反応の上昇から強く疑う。
検査
血液検査で白血球増多、CRP上昇。胆道系酵素(ALP、γ-GTP)の著増と、直接ビリルビン優位の高ビリルビン血症。
画像検査の第一選択は『腹部超音波検査』またはCT検査であり、『総胆管の拡張(正常上限8mm以上など)』や原因病変(総胆管結石など)を確認する。血液培養も必ず実施する(原因菌は腸内細菌科細菌など腸管由来が多い)。
治療方針
TG18(急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン)に沿って重症度を評価し、絶食、十分な輸液、および広域抗菌薬の静脈内投与を直ちに開始する。
外科的・インターベンション治療(最も重要)
中等症〜重症例では、抗菌薬だけでは感染を制御できないため、一刻も早く『胆道ドレナージ』を行う。第一選択は内視鏡的ドレナージ(ERCPを用いたENBD[内視鏡的経鼻胆管ドレナージ]やERBD[内視鏡的胆管ステント留置術])である。内視鏡的アプローチが困難な場合は、経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)等を行う。
病態
総胆管が結石や腫瘍で詰まることで胆汁がうっ滞し、腸管からの上行性感染により胆管内で細菌が増殖する。胆管内圧の上昇により細菌や毒素が血流に逆流しやすく、容易に敗血症(菌血症)を引き起こす。
試験・臨床での重要ポイント
『発熱、右季肋部痛、黄疸』の3つを『Charcot(シャルコー)の3徴』と呼び、急性胆管炎の典型的なサインとして超頻出。これに『ショック(血圧低下)』と『意識障害』が加わったものを『Reynolds(レイノルズ)の5徴』と呼び、ただちに死に直結する重症(急性閉塞性化膿性胆管炎:AOSC)のサインである。
胆嚢炎とは異なり『黄疸(直接ビリルビン優位)』を伴うのが最大の鑑別点。治療として抗菌薬投与のみでは不十分であり、内視鏡的(ERCP)な胆道ドレナージによる「膿出し」が最優先される。
覚え方・コツ
「胆管炎は『黄疸』が出るのが胆嚢炎との違い!シャルコーの3徴(熱・痛み・黄疸)が基本で、進行してレイノルズの5徴(+ショック・意識障害)になったら一刻を争う敗血症のサイン!薬で粘らずに、すぐにERCPで管を入れて膿(汚い胆汁)を抜け!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。