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急性リンパ性白血病は、リンパ球系の造血幹細胞が分化能を失い、未熟な白血病細胞(リンパ芽球)として骨髄中で自律増殖する血液腫瘍。小児がんで最も頻度が高く、小児では化学療法により高い治癒率を誇るが、成人では予後不良な染色体異常を伴うことが多い。
正常造血の抑制による症状:息切れ・動悸(貧血)、鼻出血・紫斑(血小板減少)、発熱・易感染性(正常白血球減少)。
臓器浸潤による症状:骨痛・関節痛(小児で多い)、リンパ節腫脹、肝脾腫、中枢神経症状(頭痛、嘔吐、脳神経麻痺)、無痛性の精巣腫大。
血液検査:白血球数は増多・正常・減少と様々だが、末梢血に芽球(blast)が出現。正球性正色素性貧血、血小板減少を伴う。
骨髄検査(確定診断):骨髄過形成で、有核細胞の20%以上(WHO分類)が『リンパ芽球』で占められる。ペルオキシダーゼ(MPO)染色【陰性】、PAS染色【陽性】。
染色体・遺伝子検査:Ph染色体(t(9;22) BCR-ABL1融合遺伝子)等の検索。
寛解導入療法:ステロイド(プレドニゾロン)、ビンクリスチン、アントラサイクリン系、L-アスパラギナーゼの多剤併用療法。
Ph陽性ALL:上記化学療法に『チロシンキナーゼ阻害薬(TKI:イマチニブ、ダサチニブなど)』を併用する。
中枢神経白血病の予防・治療:抗がん剤(MTXなど)の『髄腔内注射(髄注)』および頭蓋への放射線照射。
難治・再発例:同種造血幹細胞移植、CAR-T細胞療法(チサデゲンレクルユーセル)、二重特異性抗体(ブリナツモマブ)。
病態
リンパ芽球が骨髄内で無秩序に増殖し、正常な造血(赤血球、白血球、血小板)を阻害するため汎血球減少をきたす。血流に乗って全身に広がり、中枢神経(髄膜)や精巣などに浸潤しやすいのが特徴である。
試験・臨床での重要ポイント
国試では『小児(特に2〜5歳)に好発』することが大前提。細胞表面マーカーとしては、B細胞系(CD10、CD19等)が大多数を占める。T細胞系のALLは『縦隔腫瘍(胸腺の腫大による呼吸困難など)』を合併しやすいのが特徴。
成人のALLでは、約20〜30%にみられる『フィラデルフィア染色体(Ph:t(9;22))』が極めて重要。これがある場合は、化学療法に『チロシンキナーゼ阻害薬(TKI:イマチニブやダサチニブ)』を必ず併用する。
また、AML(急性骨髄性白血病)との最大の違いとして、中枢神経浸潤を防ぐための『予防的髄注(メトトレキサート等の髄腔内投与)』が治療プロトコルに組み込まれている点が問われる。
覚え方・コツ
「ALLは『子供のガンでダントツ1位、骨髄がリンパ芽球で埋め尽くされる病気』!正常な血が作れないから、貧血・出血・感染(発熱)で発症し、骨が痛くなる。髄液やタマタマ(精巣)に逃げ込みやすいから、抗がん剤を背中から注射(髄注)して予防しろ!大人のALLで『フィラデルフィア染色体(Ph)』が出たら、特効薬のTKI(イマチニブ)を絶対に飲ませろ!」
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多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。