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原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
全身症状:強い倦怠感、体重減少。
心症状:息切れ、浮腫、失神(不整脈や心不全)。
腎症状:浮腫、泡立つ尿(ネフローゼ症候群)。
特異的症状:巨大舌、眼窩周囲の紫斑(アライグマの眼サイン:raccoon eyes)、手根管症候群による手指のしびれ。
組織生検(必須):腹壁脂肪、口唇、胃粘膜などの生検組織で、『コンゴレッド染色陽性(偏光顕微鏡で緑色偏光)』を確認。
血液・尿検査:血清または尿中の『遊離軽鎖(フリーライトチェーン:FLC)の異常高値・比の異常』、免疫固定法によるM蛋白の検出。
心エコー:心室壁の著明な肥厚(granular sparkling echo)。
化学療法:原因となる形質細胞を排除するため、多発性骨髄腫に準じた治療(ダラツムマブ、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、デキサメタゾンなど)を行う。
自家造血幹細胞移植:若年で臓器障害(特に心不全)が重篤でない患者が適応となる。
臓器障害に対する対症療法(心不全に対する利尿薬など)。
病態
抗体(免疫グロブリン)の部品である軽鎖(Light chain)の構造が異常をきたし、水に溶けないゴミ(アミロイド)となって心臓、腎臓、消化管、末梢神経などに蓄積する。
試験・臨床での重要ポイント
『沈着する臓器ごとの多彩な症状』が問われる。
①心臓:心アミロイドーシス(心室壁の肥厚による拘束型心筋症、難治性心不全、不整脈)。生命予後を最も左右する。
②腎臓:ネフローゼ症候群(大量の蛋白尿)。
③消化管:巨大舌(マクログロシア)、吸収不良。
④神経:手根管症候群(正中神経の圧迫)、起立性低血圧。
病理組織検査における『コンゴレッド(Congo red)染色』が国試の絶対的キーワード。アミロイドが赤橙色(ダイダイ色)に染まり、偏光顕微鏡で見ると『アップルグリーン(黄緑色)の複屈折』を認めるのが決定打となる。
覚え方・コツ
「ALアミロイドーシスは『抗体の部品(L鎖)がゴミになって臓器に溜まる病気』!心臓に溜まれば心不全、腎臓ならネフローゼ、舌に溜まれば巨大舌(ベロがデカくなる)だ。生検をして『コンゴレッド染色で赤橙色、偏光顕微鏡でアップルグリーン』が見えたら一発確定!ゴミを作る大元の形質細胞を抗がん剤で叩くのが治療の基本だ!」
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多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。
急性リンパ性白血病は、リンパ球系の造血幹細胞が分化能を失い、未熟な白血病細胞(リンパ芽球)として骨髄中で自律増殖する血液腫瘍。小児がんで最も頻度が高く、小児では化学療法により高い治癒率を誇るが、成人では予後不良な染色体異常を伴うことが多い。