最終更新日: 2026年4月22日
カナバン病は、脳の白質がスポンジ状に変性する希少な遺伝性疾患(白質ジストロフィー)である。乳児期からの頭囲拡大や頭部定頸(首すわり)の遅延を特徴とする。
頭囲の異常拡大(大頭症)
重度の筋緊張低下(首すわり不良)、後に痙性麻痺へ移行
精神運動発達遅滞、視力障害(視神経萎縮)
けいれん発作
初期評価
乳児期の大頭症と発達遅滞から疑う。
検査
尿中N-アセチルアスパラギン酸(NAA)の著明な上昇を確認する。頭部MRIで白質全体のびまん性病変を確認し、MRS(磁気共鳴スペクトロスコピー)でNAAピークの極端な上昇を証明する。確定診断はASPA遺伝子検査。
治療
現在のところ根治的治療法はなく、けいれんに対する抗てんかん薬や、経管栄養、リハビリテーションなどの支持療法が行われる。遺伝子治療の研究が進行中である。
病態
ASPA遺伝子の変異により、アスパルトアシラーゼという酵素が欠損する。これにより、脳内にN-アセチルアスパラギン酸(NAA)が異常蓄積し、髄鞘(マイエリン)の形成不全と白質の海綿状(スポンジ状)変性を引き起こす。
試験・臨床での重要ポイント
生後数ヶ月からの『著明な頭囲拡大』と『筋緊張低下(首がすわらない)』が初期症状として重要。MRIのT2強調画像で広範な白質の高信号(髄鞘化遅延・変性)を認める。根本的な治療法は確立されておらず、対症療法が中心となる。
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。