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慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。
初期:無症状(健診での白血球増多やリンパ節腫脹で偶然発見されることが多い)。
進行期:無痛性のリンパ節腫脹(頸部、腋窩など)、肝脾腫。
B症状:発熱、盗汗(寝汗)、体重減少。
合併症による症状:AIHAによる貧血・黄疸、低ガンマグロブリン血症による易感染性。
血液検査:白血球の著明な増多(成熟小型リンパ球の絶対数増多 ≧ 5,000/μL)。
末梢血塗抹標本:『スマッジ細胞(潰れ細胞)』の存在。
フローサイトメトリー(細胞表面マーカー):B細胞マーカー(CD19、CD20)が陽性であることに加え、本来はT細胞のマーカーである『CD5が【陽性】』となるのが特徴的。
※骨髄検査は診断に必須ではないが、病期決定に用いられる。
無症候期(低リスク):『無治療で経過観察(watch and wait)』。早期に抗がん剤治療を開始しても生存期間は延長しない。
症候期(リンパ節腫大、貧血・血小板減少の進行):治療適応となる。
薬物療法(近年の主流):ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬(イブルチニブ、アカラブルチニブ)、BCL-2阻害薬(ベネトクラクス)、抗CD20モノクローナル抗体(リツキシマブ)などの分子標的薬。
合併するAIHAへの対応:副腎皮質ステロイドなど。
病態
アポトーシス(細胞死)が障害されることで、寿命の延びた異常なBリンパ球がゆっくりと体内に蓄積していく。細胞の顔つきは正常なリンパ球と見分けがつかないが、正常な抗体(免疫グロブリン)を作る機能は失われており、逆に自分自身を攻撃する自己抗体を作ることがある。
試験・臨床での重要ポイント
『欧米人に多く、日本人には稀(白血病全体の数%)』という疫学的事実が超基本。
末梢血塗抹標本を作製する際、細胞がひ弱なためプレパラートのガラスで押し潰されてできる『スマッジ細胞(smudge cell:潰れ細胞)』が画像問題の決定的なキーワードとなる。
また、自己免疫異常を伴いやすく、『温式自己免疫性溶血性貧血(AIHA)』や『免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)』を高率に合併(Evans症候群様)するのが重要。
治療方針において、『無症状であれば治療せずに経過観察(watch and wait)』とするのが国試の頻出ポイントである。
覚え方・コツ
「CLLは『欧米のおじいちゃんに多い、日本には珍しいゆっくり進むB細胞のガン』!細胞の顔つきは普通だけどひ弱で、ガラスで擦ると潰れちゃう(スマッジ細胞)!免疫のガンだから、自分を攻撃する抗体を作って赤血球を壊してしまう(AIHAの合併)。ガンだけど進行が遅いから、リンパ節が腫れたり貧血が出たりするまでは『手を出さずに様子を見る(経過観察)』のが鉄則だ!」
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白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。