医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
乳児期重症型:動脈管閉鎖に伴う急激な下半身の血流低下、チアノーゼ、重症心不全、ショック、乏尿。
年長児〜成人型:上半身の高血圧による症状(頭痛、鼻出血、肩こり、耳鳴り)、下半身の虚血による症状(下肢の冷感、間欠性跛行、易疲労感)。
身体所見:『上下肢の血圧差(上肢>下肢)』、大腿動脈の拍動微弱・遅延。
聴診:胸骨左縁や背部(肩甲骨間部)での収縮期雑音。
胸部X線:『リブノッチング』、『3サイン』。
心エコー・造影CT・MRA:狭窄部位の直接的な描出、側副血行路の確認。二尖弁(大動脈弁)の合併が多い。
乳児期重症型:『プロスタグランジンE1(PGE1)製剤』を持続静注し、動脈管を開かせて下半身への血流を維持(ブリッジ)した上で、早期に外科手術を行う。
外科的治療:狭窄部切除と端々吻合術、鎖骨下動脈フラップ法など。
カテーテル治療:年長児や成人に対して、バルーン拡大術やステント留置術が行われることもある。
病態
大動脈弓から下行大動脈へ移行する大動脈峡部付近がくびれるように狭窄する。乳児期に心不全を発症する重症例と、側副血行路が発達して成人期まで無症状で経過する例がある。
試験・臨床での重要ポイント
『Turner(ターナー)症候群』の合併症として超頻出。
バイタルサインのキーワードは『上肢の高血圧と下肢の低血圧(血圧差20mmHg以上)』。これに伴い、手首の脈(橈骨動脈)に比べて『足の付け根の脈(大腿動脈)が触れにくい・遅れる』。
胸部X線における2つのサインが画像問題の王道:①『リブノッチング(Rib notching)』=発達した肋間動脈(側副血行路)が肋骨の下縁を削ってできる凹み。②『3(スリー)サイン』=大動脈の狭窄部とその上下の拡張によって、大動脈のシルエットが数字の「3」のように見える。
覚え方・コツ
「大動脈縮窄症は『大動脈が途中で絞られている、上高下低の血圧病』!上半身は血圧が高すぎて頭痛や鼻血が出て、下半身は血が足りなくて足が冷たくなる。ターナー症候群の女の子に多い。レントゲンでは、脇道の血管が肋骨を削った跡(リブノッチング)と、大動脈が数字の『3』に見えるのが絶対のサインだ!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
ファイファー症候群は、FGFR1またはFGFR2遺伝子の変異により生じる頭蓋骨縫合早期癒合症(症候群性)。頭蓋骨の変形(尖頭やクローバー葉頭蓋)に加え、特徴的な「幅広で外側に曲がった親指および足の親指」を伴う。
ヌーナン症候群は、RAS/MAPKシグナル伝達経路の遺伝子変異により生じる常染色体優性遺伝疾患。「ターナー症候群に似た外見(翼状頸、低身長)」を呈するが、染色体は正常であり、男女ともに発症する。肺動脈弁狭窄症などの右心系奇形を合併しやすい。
CHARGE症候群は、CHD7遺伝子変異によって生じる多発奇形症候群。特徴的な6つの主要症状(C, H, A, R, G, E)の頭文字をとって名付けられており、特に「後鼻孔閉鎖」と「虹彩欠損」の組み合わせが特徴的である。