医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
皮膚筋炎は、多発性筋炎のような近位筋の筋力低下に加え、特異的な皮膚症状(ヘリオトロープ疹、ゴットロン丘疹など)を伴う自己免疫疾患。悪性腫瘍の合併率が高く、また抗MDA5抗体陽性例での「急速進行性間質性肺炎」が超重要である。
筋症状:近位筋の対称性筋力低下、嚥下障害(PMと同様)。
皮膚症状:ヘリオトロープ疹(上眼瞼)、Gottron丘疹(MCP/PIP関節背側)、Gottron徴候(肘・膝関節背側の紅斑)、Vネックサイン(前胸部の紅斑)、ショールサイン(肩から上背部の紅斑)。
その他:間質性肺炎、悪性腫瘍の合併。
初期評価
近位筋力低下と特異的な皮疹の存在から臨床的に診断する。
検査
血液検査でCK上昇、特異自己抗体(抗TIF1-γ抗体[悪性腫瘍合併に多い]、抗MDA5抗体[CADMと急速進行性間質性肺炎]、抗Mi-2抗体[典型的な皮疹で予後良好]など)を測定する。MRI、筋電図。筋生検では、PMと異なり『束周傍筋線維萎縮(perifascicular atrophy)』と血管周囲へのCD4+ T細胞・B細胞の浸潤を認める。
治療方針
副腎皮質ステロイド大量療法が基本。皮疹に対しては遮光とステロイド外用薬。悪性腫瘍が発見された場合は、その治療を優先または並行して行う(腫瘍を切除するとDM症状も軽快することがある)。
抗MDA5抗体陽性の間質性肺炎に対しては、ステロイド単独では救命困難なため、診断と同時にステロイドパルス+タクロリムス(またはシクロスポリン)+シクロホスファミド静注の強力な『3者併用療法』を早期から実施する。
病態
多発性筋炎とは異なり、補体介在性の液性免疫異常による微小血管炎が主体。筋周囲の毛細血管内皮細胞が障害され、虚血により筋線維が障害されるとともに皮膚炎が生じる。
試験・臨床での重要ポイント
近位筋の筋力低下に加えて、特異的な皮疹が出現する。『ヘリオトロープ疹(両側上眼瞼の浮腫を伴う紫紅色斑)』と『ゴットロン(Gottron)丘疹/徴候(手指の関節背側の紅斑・落屑)』が絶対暗記のビジュアルキーワード(写真問題の定番)。
PM以上に『悪性腫瘍(胃癌、大腸癌、肺癌など)の合併率が高い』ため、全身のガン探査が必須。近年は自己抗体によるフェノタイプ分類が問われる。特に『抗MDA5抗体』陽性例は、筋症状が乏しい(CADM:無筋症性皮膚筋炎)一方で、ステロイド抵抗性の致死的な『急速進行性間質性肺炎』を超高率に起こすため、極めて厳重な警戒が必要である。
覚え方・コツ
「皮膚筋炎は『筋炎+特有の皮疹』!まぶたが紫に腫れる(ヘリオトロープ疹)、指の関節の背中側がカサカサ赤くなる(ゴットロン丘疹)のが特徴。裏に『ガン』が隠れている確率が高いから絶対探せ!抗MDA5抗体が陽性だと、あっという間に肺が白くなる(間質性肺炎)から超危険!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。