Eisenmenger症候群は、左右シャントを伴う先天性心疾患(VSD、ASD、PDAなど)を放置した結果、長期間の肺血流量増加により肺血管抵抗が著明に上昇し(不可逆的な肺高血圧症)、シャントの血流が「右から左(右左シャント)」へ逆転した重篤な状態。根治手術(欠損孔閉鎖)は禁忌となる。
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遅発性チアノーゼ(生まれた時はなかったが、成長してから出現する)。
ばち指(太鼓ばち指:慢性の低酸素血症のサイン)。
労作時呼吸困難、易疲労感、失神。
右心不全症状(下腿浮腫、肝腫大、頸静脈怒張)、喀血。
心エコー:基礎疾患(VSDなど)の存在と、『右左シャント(または双方向性シャント)』の血流の証明。右室肥大。
心臓カテーテル検査:肺動脈圧および肺血管抵抗の著明な上昇を確認する。
血液ガス・採血:低酸素血症、二次性多血症(エリスロポエチンの代償性分泌によるHb上昇)。
『欠損孔閉鎖術(根治手術)は絶対禁忌』。
内科的治療:肺高血圧症に対する肺血管拡張薬(エンドセリン受容体拮抗薬、PDE5阻害薬、プロスタサイクリン製剤)、在宅酸素療法(HOT)、心不全に対する利尿薬。
多血症による過粘稠度症候群に対しては瀉血(しゃけつ)を行う。
最終手段:心肺同時移植。
病態
通常、心室中隔欠損症(VSD)等では、圧の高い左心系から圧の低い右心系へ血液が流れる(左→右シャント)。しかし、大量の血流を浴び続けた肺動脈の血管壁が分厚く硬くなり(肺血管閉塞性病変)、肺血管抵抗が全身の血圧を上回ると、血流が「右心室→左心室」へと逆流し始める。
試験・臨床での重要ポイント
酸素の少ない静脈血が全身に混ざるため『チアノーゼ(遅発性)』と『ばち指』が出現するのがキーワード。
国試で最も問われるのは『根治手術(欠損孔の閉鎖)が「絶対禁忌」である』こと。この状態になってから穴を塞ぐと、パンパンに圧が上がった右心室の「逃げ道」がなくなり、急激な右心不全を起こして直ちに死に至るためである。
覚え方・コツ
「Eisenmengerは『肺が硬くなりすぎて、血流が逆流(右左シャント)した手遅れ状態』!生まれつき心臓に穴(VSDなど)があったのを放置した結果、静脈の血が全身に回って唇が紫になり(チアノーゼ)、指が太鼓のバチみたいになる(ばち指)。こうなったら穴を塞ぐ手術は絶対にダメ(禁忌)!塞ぐと右心室が破裂するから、肺の血管を広げる薬で耐えるか、心肺同時移植しかない!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。