最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りする肥大型心筋症(HCM)は、明らかな原因なく心室筋(特に心室中隔)が非対称性に肥大する指定難病である。拡張機能障害や左室流出路狭窄を来し、労作時の息切れや失神、若年スポーツ選手の突然死の原因となる。CBTや医師国家試験では、体位変換による心雑音の増減や、禁忌薬(ジギタリスや硝酸薬など)が毎年問われる超頻出疾患である。
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肥大型心筋症(HCM)は、明らかな原因なく心室筋(特に心室中隔)が非対称性に肥大する指定難病である。拡張機能障害や左室流出路狭窄を来し、労作時の息切れや失神、若年スポーツ選手の突然死の原因となる。CBTや医師国家試験では、体位変換による心雑音の増減や、禁忌薬(ジギタリスや硝酸薬など)が毎年問われる超頻出疾患である。
無症状(健診の心電図異常や心雑音で発見されることが多い)
労作時呼吸困難(拡張不全による肺うっ血や左室流出路狭窄による)
胸痛(相対的な心筋虚血による狭心症様症状)
失神・めまい(労作時の心拍出量低下による)
突然死(若年者のスポーツ中の致死性不整脈:心室細動など)
初期評価
家族歴(心疾患や突然死)を聴取する。聴診で胸骨左縁の収縮期駆出性雑音を確認し、立位やValsalva手技で雑音が増強するか、蹲踞で減弱するかを評価する。
検査
心エコーが確定診断に必須であり、非対称性中隔肥大(ASH:中隔/後壁厚比≧1.3)、僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM)、左室流出路の狭窄血流(HOCMの場合)を確認する。心電図では左室肥大所見、深い異常Q波、巨大陰性T波(心尖部型)を認める。
鑑別
高血圧性心肥大、大動脈弁狭窄症(AS:頸動脈への放散あり、蹲踞で雑音増強)、拡張型心筋症(DCM:心室拡大と収縮能低下が主体)、アスリート心(生理的な心肥大)と鑑別する。
初期対応
突然死のリスク評価(家族歴、失神歴、非持続性心室頻拍、著明な心肥大など)を行い、激しい運動(競技スポーツなど)を制限する。
根本治療
左室流出路狭窄や拡張能障害を改善するため、心筋の収縮力を抑え拡張時間を延ばす「β遮断薬」や「非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬(ベラパミルなど)」を投与する。※ジギタリス、硝酸薬、利尿薬は流出路狭窄を増悪させるため原則禁忌。突然死リスクが高い場合は、植込み型除細動器(ICD)の適応となる。薬物治療抵抗性の重症HOCMに対しては、カテーテルによる経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)や外科的中隔心筋切除術を検討する。
病態
心筋サルコメア蛋白の遺伝子異常などにより、主に心室中隔が非対称性に肥大(ASH)する。これにより左室の拡張能が低下(広がりにくくなる)し、一部の症例では収縮期に僧帽弁前尖が前方に引き寄せられるような運動(SAM)を起こすことで、左室流出路が狭窄(閉塞性肥大型心筋症:HOCM)する。
原因
常染色体顕性遺伝(優性遺伝)を示すことが多く、家族歴の聴取が極めて重要である。
分類
左室流出路の狭窄がある「閉塞性(HOCM)」と、狭窄がない「非閉塞性(HNCM)」、心尖部を中心に肥大する「心尖部肥大型(APH)」などに大別される。
試験での重要ポイント
HOCMにおける収縮期駆出性雑音は、「左室の血液量(静脈還流)が減ると狭窄が強まり、雑音が増強する」ことが超頻出。具体的には「立位・Valsalva手技・硝酸薬投与で雑音増強」、「蹲踞(しゃがむ)・下肢挙上・β遮断薬投与で雑音減弱」である。また、心収縮力を強めたり前負荷を減らす薬(ジギタリス、硝酸薬、利尿薬、β刺激薬)は流出路狭窄を悪化させるため「禁忌」となる。心電図の「巨大陰性T波(心尖部型)」や「異常Q波」も画像所見として重要。
覚え方・コツ
「HOCMは中隔分厚い。心臓ペチャンコ(立位・バルサルバ)で雑音大、心臓パンパン(蹲踞)で雑音小。強心薬・利尿薬・硝酸薬は首を絞める(禁忌)」と覚える。
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大動脈解離は、大動脈の壁(中膜)が裂け、血液が本来の血管腔とは別の層に流れ込む致死的な緊急疾患である。突然の引き裂かれるような移動性の胸背部痛を特徴とし、Stanford A型では心タンポナーデなどを合併する。CBTや医師国家試験の救急・循環器分野で毎年問われる超頻出疾患である。
心室中隔欠損症(VSD)は、左右の心室を隔てる壁(心室中隔)に欠損孔がある先天性心疾患である。全先天性心疾患の中で最も頻度が高く、左室から右室への左右シャントにより肺血流量が増加し、心不全や肺高血圧の原因となる。CBTや医師国家試験では、特徴的な心雑音やアイゼンメンジャー症候群への移行、部位別の合併症(ARなど)が毎年問われる超頻出疾患である。
心房細動は、心房が小刻みに震えて規則正しい収縮ができなくなる不整脈である。動悸や息切れ、胸部の不快感を主な症状とする。放置すると心原性脳塞栓症という命に関わる脳梗塞を引き起こす危険があり、CBTや医師国家試験において超頻出の重要疾患である。
高血圧症は、安静時の血圧が慢性的に正常値(診察室血圧140/90mmHg以上など)を超えて高くなっている状態である。初期は無症状のことが多いが、進行すると頭痛やめまいを引き起こす。脳卒中や心疾患の最大のリスクファクターであり、CBTや医師国家試験では、診断基準や二次性高血圧の鑑別が毎年問われる超頻出の重要疾患である。