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特発性肺線維症は、原因不明の間質性肺炎(特発性間質性肺炎:IIPs)の中で最も頻度が高く、肺の不可逆的な線維化が進行する予後不良の疾患である。HRCTでの蜂巣肺(UIPパターン)が特徴で、ステロイドは原則無効であり、抗線維化薬が治療の中心となる。
呼吸器症状:慢性・進行性の労作時息切れ、乾性咳嗽。
身体所見:捻髪音(吸気終末のベルクロラ音)、ばち指、チアノーゼ。
※進行すると肺高血圧症を合併し、右心不全症状(下腿浮腫、頸静脈怒張など)を呈する。
初期評価
高齢男性(喫煙歴あり)の進行性の息切れと捻髪音から疑う。
検査
胸部HRCTにて『典型的なUIPパターン(胸膜直下・下肺野優位、蜂巣肺があり、すりガラス影は目立たない)』を確認する。膠原病(自己抗体陰性)や環境要因(過敏性肺炎、薬剤性など)を臨床的に完全に除外することが必須条件となる。
典型的なHRCT所見があれば『外科的肺生検(VATS)』は省略可能であるが、非典型的な場合はVATSにより病理組織学的UIPパターンを証明する。
慢性期(安定期)の治療
肺の線維化を抑え、呼吸機能の低下を遅らせるために『抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)』を投与する。低酸素血症に対しては在宅酸素療法(HOT)や呼吸リハビリテーションを行う。
急性増悪時の治療
慢性期とは異なり、急激な呼吸不全(新たなすりガラス影の出現)をきたした急性増悪に対しては、例外的に『ステロイドパルス療法』や『免疫抑制薬』、広域抗菌薬(感染契機を考慮)などを強力に行うが、救命率は低く予後は極めて不良である。
病態
肺胞上皮細胞の繰り返す損傷と異常な修復(線維芽細胞の増殖)により、肺間質にコラーゲンが過剰沈着して不可逆的な線維化(通常型間質性肺炎:UIPパターン)をきたす疾患。
試験・臨床での重要ポイント
「50歳以上の男性・喫煙者」に好発する。間質性肺炎に共通する『捻髪音(ベルクロラ音)』『ばち指』『乾性咳嗽』『労作時息切れ』を呈する。血液マーカーは『KL-6、SP-D』上昇。
最大の鑑別・正解ポイントは、画像所見で『UIPパターン(胸膜直下・下肺野優位の網状影、蜂巣肺、牽引性気管支拡張)』を認めることと、治療において『ステロイドや免疫抑制薬は原則無効(有害事象を増やすため非推奨)』であり、『抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)』を使用することである。死因のトップは、感冒などを契機に急激に呼吸不全が進行する『急性増悪』である。
覚え方・コツ
「IPFは『タバコ吸いのジジイの肺がカチカチ(蜂の巣)になる』最悪の肺炎!膠原病性の間質性肺炎と違って、ステロイドは効かないから『抗線維化薬(ピルフェニドン)』で進行を遅らせるしかない。風邪をキッカケに一気に肺が真っ白になる『急性増悪』を起こすと命に関わる!」
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びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。
肺腺癌は、原発性肺癌の中で最も頻度が高く(約60%)、非喫煙者や女性にも多く発症する。肺の末梢(肺野)に発生しやすく、EGFR変異などのドライバー遺伝子変異が高率に見つかるため、分子標的治療が予後を劇的に改善している。
肺好酸球増多症(PIE症候群)は、血中好酸球の増多と、胸部画像上の肺浸潤影を伴う疾患群の総称。好酸球性肺炎(急性・慢性)、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、寄生虫感染(Loffler症候群)などが含まれ、多くはステロイドが著効する。
I型呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下しているが、二酸化炭素分圧(PaCO2)は正常または低下(45Torr以下)している状態。主に肺の実質や間質の障害による「酸素化障害」が原因である。