内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
最終更新日: 2026年4月27日
内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
排便時の無痛性の『鮮血便』(便の表面に付着、または排便後にポタポタ垂れる)。
肛門からの脱出感、残便感。
粘液の付着による痒み。
視診・指診:怒責時に脱出を確認。指診で軟らかい膨隆を触れる。
肛門鏡検査:痔核の部位(3, 7, 11時方向が好発)と形態を確認。
※出血の原因として大腸癌を否定するため、必要に応じて大腸内視鏡を行う。
保存的治療(基本):便通のコントロール、座薬、軟膏(ステロイド・注入軟膏)。
硬化療法(ALTA療法):内痔核に直接薬剤を注入して固める。III度までの良い適応。
外科的治療(結紮切除術:LE法):根治性が高く、IV度やALTA困難例に行う。
病態
肛門管のクッション組織が、便秘や怒責、妊娠などにより変性・肥大して生じる。歯状線より上にあるため、自律神経支配であり『通常、痛みを感じない』のが特徴。
試験・臨床での重要ポイント
『Goligher(ゴリガー)分類』が超頻出。
I度:排便時に出血するが、脱出はしない。
II度:排便時に脱出するが、自然に還納する。
III度:排便時に脱出し、指で押し込まないと戻らない。
IV度:常に脱出しており、押し込んでも戻らない(嵌頓痔核)。
治療では、近年『ALTA療法(ジオン注による硬化療法)』が、切らずに治せる治療として多用される。
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。